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管理に関するFAQ

専有部分のトラブル

専有部分内のゴミの撤去について

管理組合の理事長をしています。専有部分内に多量のゴミを放置している区分所有者がいるのですが、それらのゴミから悪臭と害虫が発生しており、周囲の居住者が大変困っています。当該区分所有者は居住していますが、ゴミの撤去を要請しても「近いうちに片付ける」と言うばかりで、ゴミを撤去しようとしません。管理組合としては、どのような対応をすればよいでしょうか。

 専有部分内にゴミを放置することで発生する悪臭と害虫により周囲に迷惑をかけることは、区分所有法第6条に定める「共同の利益に反する行為」に該当すると思われます。
 このような場合、まずは当該居住者に周囲の居住者の困っている状況を理解させるために電話、訪問等によりコミュニケーションを図ることが必要です。もし、連絡先が分かるのであれば、当該居住者の親族の方に状況を説明し、ゴミの撤去を要請することも考えられるでしょう。
 それでも、状況が改善されない場合、管理組合は総会の決議により、共同の利益に反する行為の停止(専有部分内のゴミの撤去)を求めて当該居住者に対し、訴訟を提起することができます(区分所有法第57条)。
 裁判により管理組合の請求が認められたにもかかわらず、当該区分所有者がゴミを撤去しない場合、管理組合が裁判所に強制執行の申立てをすることにより、執行官による代替執行(ゴミの撤去)が行われることとなります。
 ただし、強制執行による解決は、相当の時間と費用がかかる上に、当該居住者との間に心情的なしこりが残ることや強制執行後に当該居住者が新たにゴミを放置し始めることが懸念されるため、できるだけ話し合いにより解決を図ることが望ましいでしょう。
 同様のケースで、居住者との話し合いにより居住者がゴミの撤去費用を捻出できない事情が判明し、その費用を管理組合が立て替えることで、解決した事例もあるようです。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2016年5月掲載

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住戸のシェアハウスとしての利用を規制できるか

管理組合の理事長をしています。当マンションでシェアハウスとして利用されている住戸があることが分かりました。その住戸の区分所有者は、室内を改修して間仕切りをいれ、不動産会社を仲介業者として契約し、複数の第三者を当該住戸に入居させているようです。約50平方メートル程度の専有部分に、管理組合の許可なく間仕切壁を増設するなどのリフォームが実施され、多くの住民(10人程度)が、該当住戸に出入りする姿が目撃されるようになり、「ゴミの分別がされていない、夜遅くまで騒いでいる」などの生活マナーが守られない状況が報告され、住民に不安が広がっています。住戸をシェアハウスとして利用することは規制できないでしょうか。当管理組合の管理規約は、マンション標準管理規約に準じています。

 シェアハウスは、1つの住戸を複数人が共用して暮らす賃貸物件で、キッチン・リビング・バスルームなどを共用し、寝室として個室を確保しているのが一般的です。「共同生活を通じて住民同士のつながりを深める」というコンセプトのもと、若者を中心とする層に支持され、家賃負担を軽くしたいという事情や、家賃収益を大きく増やしたいという供給側の期待があり、新しい生活スタイルとして広がりを見せています。
 こうした事情を反映して、シェアハウスは一戸建て住宅だけでなく、分譲マンションでも見られるようになりました。しかしながら共同生活のマナー・ルールが守られない、住居内の大幅改修による建築基準法や消防法などの法令適合可否など、問題となるケースも出てきました。
 マンション標準管理規約第12条では「(専有部分の用途)区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」と規定があり、同条のコメントでは、「住宅としての使用は、専ら居住者の生活の本拠があるか否かによって判断する。したがって利用方法は、生活の本拠であるために必要な平穏さを有することを要する」とされています。
 本問のマンションは、「生活の本拠であるために必要な平穏さを有することを要する」という状況からは程遠く、管理規約に違反しているといえると考えられます。ただし、具体的にどのような使用態様が管理規約第12条に違反するものとするかは明確な基準はなく、裁判などにより個別に判断されるものであることに注意が必要です。
 このようなトラブルを未然に防止するため、専有部分の修繕工事の届け出義務や承認プロセスを強化し、「建築基準法や消防法に抵触するような間仕切壁設置の禁止」、「承認のない工事は実施してはならない」などの規定を設けるなどの対策を講じておくことが望ましいでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2018年9月掲載

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