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管理に関するFAQ

総会・理事会の運営

海外に在住している外国人の区分所有者への連絡について

私は、マンションの理事をしているのですが、私の住んでいるマンションの区分所有者に海外に在住している外国人の方がいます。この方は、マンションには居住しておらず、国内の所在地に関する届出はなく、連絡先も分かりません。このような場合、総会案内など管理組合からの連絡はどのようにしたらいいのでしょうか。

 総会案内の招集通知については、お住まいのマンションの管理規約において、どのように定められているのかによります。マンション標準管理規約では、区分所有者が届出をしている宛先に通知することになっていますが、届出がない場合は当該マンションの専有部分の所在地宛に発すると定められているため、ご質問の場合、当該マンションの区分所有者の専有部分宛に通知すれば足ります。
 しかしながら、昨今、海外在住者による日本国内の不動産購入の事例が増えていることや、国内在住の区分所有者であっても、長期海外出張などにより自宅を留守にすることが多く、管理組合として、区分所有者本人と連絡をとることが難しく、連絡に時間を要するばかりか、区分所有者と連絡が取れないケースが増えています。その場合、総会の招集通知が不在の区分所有者に伝わらず、当該区分所有者の議決権行使がなされないことにより、区分所有者数と議決権数の各4分の3以上の賛成が必要な特別決議事項の決議要件を満たさないなど、組合運営に支障をきたす恐れがあります。
 このような事態に対応するため、管理組合としては、あらかじめ管理規約や細則において、海外在住者の不在区分所有者に対し、連絡先窓口となる代理人の届出を義務付けることも一つの方法です。
 海外在住者の場合には、国内の不動産販売会社などを代理人とし、その代理人に求める事項としては、不在区分所有者との連絡・調整だけでなく、管理組合で実施する専有部分内の点検立会、事故等発生時の連絡窓口などが考えられ、一定の様式の長期不在届出書を作成しておき、不在区分所有者が国内の代理人に、当該専有部分の管理に関する事項(点検立会など)を行える承諾を得ておくようにするとなおよいでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2019年12月掲載

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遠方にいる理事の理事会参加について

管理組合の理事を務めているのですが、仕事のために遠方にいることが多く、また代理人を用意することも難しいため理事会への参加が困難です。何か良い方法はないでしょうか。

 マンション標準管理規約(単棟型)の第53条(理事会の会議及び議事)の第1項には、「理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する」とありますが、平成28年3月に改正されたマンション標準管理規約のコメントによると、管理規約に定めがあれば、遠方にいても意見を述べること、議決権を行使すること、また理事会に参加することも可能とされています。
 方法は大きく分けて2つあり、1つは議決権行使書や意見書を提出することにより、議案に対する意見を述べ、賛否に関する意思表示を行う方法、もう1つは、インターネットを利用したテレビ会議等を利用することで、遠方に居ながらにして理事会に参加する方法があります。
 この点、マンション標準管理規約(単棟型)のコメントには、次のように記載されています。
 同規約の第53条関係コメント(4)に、「理事がやむを得ず欠席する場合には、代理出席によるのではなく、事前に議決権行使書又は意見を記載した書面を出せるようにすることが考えられる。これを認める場合には、理事会に出席できない理事が、あらかじめ通知された事項について、書面をもって表決することを認める旨を、規約の明文の規定で定めることが必要である」とあり、また、コメント(5)に、「理事会に出席できない理事について、インターネット技術によるテレビ会議等での理事会参加や議決権行使を認める旨を、規約において定めることも考えられる」とあります。
 テレビ会議等を利用した理事会への参加については前例も少なく、管理規約の改定や、テレビ会議を行うための環境を整備するなどの準備が必要ですが、理事の出席数が足りず、理事会の成立が困難であることが予想される場合には導入を検討してみてはいかがでしょうか。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2020年4月掲載

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総会の開催を中止もしくは延期することは可能か

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、理事会の開催は中止としていますが、総会の開催については区分所有法に定める集会の招集に該当することから、年1回の開催が法的に義務付けられていると聞きました。総会の開催を中止、もしくは延期することは法的に問題があるのでしょうか。

 新型コロナウイルス感染症の影響によって、前年の開催から1年以内に区分所有法上の集会の開催をすることができなくなった場合の対応について、法務省より以下の通り指針が示されています。

(指針内容)
 区分所有法においては、管理者又は理事が、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならないとされ、集会において毎年1回一定の時期にその事務に関する報告をしなければならないとされていますが、前年の開催から1年以内に必ず集会の招集をし、集会においてその事務に関する報告をすることが求められているわけではありません。
 したがって、今般の新型コロナウイルス感染症に関連し、前年の集会の開催から1年以内に区分所有法上の集会の開催をすることができない状況が生じた場合には、その状況が解消された後、本年中に集会を招集し、集会において必要な報告をすれば足りるものと考えられます。

 以上の指針から、新型コロナウイルス感染症に関連する問題が落ち着くまでの間、総会の開催を延期することは法的に問題ないと考えられます。ただし、本指針では、集会を開催することができない状況が解消された後、本年中に集会を招集し、集会を開催することが定められていることから、総会の開催を中止することは法的に問題があると考えられるでしょう。
 また、標準管理規約においても、書面又は代理人による議決権の行使を認めていることから、仮に総会を開催する場合であっても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐべく、議決権行使書や委任状による議決権の行使を広く呼びかけ、総会会場に大勢の人が集まることがないように対策することが望ましいでしょう(標準管理規約第46条4項)。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2020年5月掲載

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