Wendy-Net トップページ > Woman > Back Number >心理カウンセラー 大崎 清美さん

Woman

BackNumber

心理カウンセラー/大崎 清美さん

大崎 清美さん
あなたは、あなたのままで…
Profile

大崎 清美さん/心サポートセンター Kotodama 代表

埼玉県さいたま市出身。20年以上の教育の現場に携わり、通信制サポート高校副学院長等を歴任。さまざまな親子と日々関わるなか、保護者に心身ともに余裕がないことが子どもたちの信号を見逃していることに気づく。2015年、さいたま市に心サポートセンター Kotodamaを開業。保護者に子どもへの褒め方・叱り方、コミュニケーションも含めた相談(子育て、不登校、いじめDV相談等)などを行う。
https://kotodama.link/


 社会問題にもなっているDV問題。その対象は、子どもはもちろん、母親、単身女性にもおよんでいます。

 教育業に20年以上携わる中でいろいろな親子問題に取り組んできました。現代の母親たちは、心身ともに余裕がなく、子どもとの関係だけでなく、人との関わり方に苦しみ悩んでいる感じがします。

 子どもの相談にと初めて来るクライアントのほとんどが、紐解いていくと、複雑なバックグラウンドを抱えていることが分かり、それが現在の親子関係に影響を及ぼしているようにも見受けられます。まずは子どもを救わないといけないのですが、親たちも救いを求めているのです。

 どこで負のスパイラルを切っていくかが問題です。

 これを強く感じたのは、埼玉県の非常勤職員として女性支援施設で働いていたときです。この施設は、DV被害の単身女性、児童同伴の女性、または居所なしの女性たちの支援施設です。民間でいう「シェルター」に近い施設です。秘匿性を求められるため、全県にあるこの公的な施設の存在を知る人は多くはないと予想されます。児童相談所とは違い、あくまで大人のための施設で、同伴児の心のケアまで、行き届いていないのが現状でした。

 一度保護され「お世話になりました」と出て行く女性が、短期間で再び保護されたり、父親を変えて子どもの数が増えて戻ってきたりと、本当の意味での支援として、行政機関が機能していない現状を目の当たりにしました。

 いつになってもなくならない、行政機関、児童相談所、警察、教育委員会などでの「言った言わない」の問題。それぞれの機関が保身に走っていて、法改正したり人を増員したりとしていますが、私は、根本的な部分を変えなければ何も変わらないと思いました。現場職員が、心から本気で保護されている人たちに寄り添っているのかということです。

 私は主にセンター内での生活面をサポートしていました。入所者は施設を出た後の生活に不安だらけです。同伴児がいれば、なおのこと。事務的な手続きをしている職員たちの前と、生活の中で私たちに見せる顔は違っていました。行政機関はできない理由から入っていき、どうしたらできるかを一緒に本気で考えているようには感じられませんでした。

 非常勤という立場や役割外ということから、意見を聞いてもらえず、このような支援施設では、今起きている社会問題の被害者の数字を一向に減らすことはできないと感じました。母親とともに保護された子どもを見ていて、この子たちは、「どんなふうに成長していくのか」「大人になった時に自分の親をどう見るんだろう」といつも思っていました。ここには書けないような事情を知る中で、心の傷を少しでも緩和してくれる人たちに子どもが出会い、健やかに成長していくことを願うばかりでした。

相談風景
相談風景

 微力なりに自分に何ができるか。「ママが笑顔になれば、子どもも笑顔になる」というコンセプトのもと、心サポートセンターKotodamaを開業しました。幼稚園、小学校、中学校の保護者に向けた講演活動をし、子どもの褒め方、叱り方、保護者自身のあり方、コミュニケーションの取り方など、子どもとの関係をより良くするヒントをお伝えしています。

 活動の場を与えてもらうたびに、私の活動が「子ども一人でも救うことにつながれば」と感じているのです。今、この記事を書いている時もです。

 子どもを愛しているのに、言うことをきかないから、勉強しないから、手を上げたり、足が出たり、ご飯を食べさせなかったり、罵声を浴びせたりしてしまう。そうしては、自分を責め苦しんでいる母親を私は、ずっと見てきました。紐解くと、そのお母さん自身も子ども時代に、親から自己肯定感を否定されるような言動行動で、傷つき、心に蓋をしてきているケースも少なくありません。

ラジオ番組「こころのたより」収録風景
ラジオ番組「こころのたより」収録風景

 私は言います。「あなたはあなたのままでいいんだよ、今までやり方が分からなかっただけだから」と。初めて認めてもらったと、号泣される女性も少なくありません。

 核家族化が進み、親や友人に相談できず、一人で悩み、社会に出て来ることも少ない母親に伝えたいと、昨年5月より埼玉県志木市にあるクローバーメディアというラジオ局で「こころのたより」(第1・第3火曜の14時)のコーナーを持たせていただき、さまざまな想いを発信しています。

 リスナーからの質問への回答、子どもとの関わり方のアドバイスなどをお伝えしています。ストレスの原因の90%以上は人間関係。「一人で悩まないで。傷つけ合わない方法を少しでも知ることで、笑顔が必ず増えてくるから」とメッセージを送っています。

 これからも「聴いてよかった、相談して良かった」と少しでも相談者のお悩みや不安を解消するお手伝いができたらと願っています。


BackNumber

(無断転載禁ず)