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本音のエッセイ

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今月の本音のエッセイは 社歌制作プロデューサー 西尾 竜一さん

「会社が好きだ」宣言のススメ

社歌制作プロデューサー 西尾 竜一さん

社歌制作プロデューサー 西尾 竜一

西尾 竜一/社歌制作プロデューサー

社歌制作ドットコムを運営するアイデアガレージ代表取締役社長。上場企業・ベンチャーなど会社の規模や地域を問わずさまざまな企業の社歌制作を担当。社歌・イメージソングなど、これまでの制作楽曲は約80曲を数える。社員参加型社歌制作の第一人者。

 『締切の日、雨の中、それでもなお歩き続けた。あきらめない想い通じ、つかみとったあの奇跡♪』…とある会社の社歌である。

 先日この会社の方と食事をする機会があった。「仕事につまずいた時に、あの社歌を聴いて元気をもらうんですよ。何回聴いても泣けますね」とありがたいお話をいただいた。

 『社歌』という言葉を聞くと、多くの人が直立不動で強制的に歌わされる、というイメージを持つ。しかし、そもそも社歌の起源は労働者たちがその日一日働いたことを振り返り、互いにお疲れ様という意味を込めて歌いあった労働歌であると聞く。自分の仕事に誇りを持ち、一日一日を大切にする仕事人たちの応援歌なのだ。

 社歌を作る会社は東日本大震災のあと、ゆるやかに増えていると感じている。あの大震災のとき、多くの日本人が自分と社会のつながり、自分と自分を取り巻く人たちのつながりを再認識した。自分が帰属している地域やコミュニティとの絆を今一度考え直す機会になったのではないだろうか?そして、個人と会社の関わりについても然りである。自らが属する会社というものを捉え直し、そのつながりを考えるきっかけになったと感じるのだ。

 私は今の若い人たちが「会社が好きだ」ということをもっと自信を持って言っていいのではないか、と思う。それは自分の仕事に誇りを持つことであり、ひいて言えば、その宣言は自分のお客さまや生み出す商品サービスに責任を持っているということの証ではなかろうか? これからの時代、キャリアを求めて会社を転々とするのではなく、自分の所属する会社を愛し、会社と自分の関係性の中から夢を見出し、仲間とともにその夢を叶えていく、という本来の日本らしいキャリア形成があらためて注目されるのではないだろうか?

 一方、会社も24時間戦え、というスタンスではなく、働く人のために環境を整え、共に理想に向かって進んでいく仲間として社員を大切にする時代になってきたと思う。そんな働く人と会社を結ぶひとつのきっかけの役割を「社歌」が担えたら、とてもうれしいことだ。

 自分の仕事に対する想いやお客さまへの想い、それらをつづった社歌を聴いて素直に感動し、あるいは仲間たちとともに歌い、明日への元気にする、そんな若い人たちが増えてくれることを心の底から願っている。 

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