連載コーナー
本音のエッセイ

2025年8月掲載

ごみ分別で戦争は止められる

滝沢 秀一さん/お笑い芸人兼ごみ清掃員

滝沢 秀一さん/お笑い芸人兼ごみ清掃員
1998年に西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。2012年、妻の妊娠を機に、ごみ収集会社で働きはじめ、ごみ収集の体験をもとにSNSや執筆、講演会などで発信している。23年5月、コンビとしてフジテレビ『THE SECOND〜漫才トーナメント〜』にて準優勝。
 

ごみ分別をすれば、戦争を止められる。わりと僕は本気でそう思っている。何を馬鹿なこと言うな、滝沢。人と人が争うことはそんな単純な話ではない。もっといろんなことが複雑に絡み合っているんだ。1本の糸の引っ張り合いで済む話じゃないじゃない。そう方々からお叱りの声が聞こえてきそうだ。

 

確かにそんな単純な話ではないが、人と人が争う要因がひとつでも減ることに越したことはない。世界の戦争の6割が資源の奪い合いだと言われている。石油、鉱物資源、水、食料の所有権が原因で戦争が起きているのは少しネットを検索すれば、そんな情報はゴロゴロ転がっている。

 

これは今に始まったことではなく、戦国時代のそもそもの始まりは米の奪い合いだと言われている。一揆だってそうだ。金代わりのお米が年貢として納められており、重税だということで決起したというのは中学生でも習っている。

 

現代では、残っている少ない資源を先進国が支配したいがために、時には介入や干渉が起きる。日本だって資源に乏しい。例えば石油は99・7%が輸入に頼っており、年間10兆円かけて輸入している。

 

ちなみに日本は、1人当たりがプラスチックを使う量が世界で2番目に多いと言われている。プラを生み出すにはナフサという石油から精製されるものから作られるが、3割が国内生産、7割は輸入に頼っている。簡単にいうと輸入に頼って使い捨てプラスチックが作られ、そのほとんどが燃やされている。プラひとつにしてもきちんと分別をして、有効的に使えれば、輸入する石油は少なくて済む。

 

総合して考えるとプラをリサイクルする方がエネルギーを多く使うから、地球環境に良くないと言う方もいるが、その場合、そもそものプラの量を減らす努力をすれば、奪い合っている石油に手をつけなくて済む。鉱物資源にしてもそうだ。日本では銅、ニッケル、リチウム、コバルトなどを採掘することはできない。しかしパソコン、電子機器等に必要な鉱物なので、輸入をしなくてはならない。もちろん電子機器が必要なのは日本だけではないので、奪い合うことになる。武装勢力が不正に手に入れているという話もある。

 

そしてこの鉱物は正しくリサイクルされていないので、日本だけでも数十兆円分の希少金属が埋蔵していると言われている。全てにおいて今ある資源を大切にするべきだと僕は考える。機会があったら、水、食料の話も僕のところに聞きにきてほしい。講演会、取材等で本音で話している。防げる争いがあることを多くの人に知ってほしい。分別をするようになると世界が見えてくる。

(無断転載禁ず)

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