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管理に関するFAQ

マンションの基本的事項

敷地の分離処分は可能か

この度、市より、道路拡張工事のためにマンションの敷地の一部を売却してほしいとの申し入れがありました。理事会として方針を検討中ですが、どのような手続きが必要になるのでしょうか。

 具体的には次の三段階の手続きをふむ必要があります。
(1)まず、分離処分する部分とマンションの敷地として残る部分の土地を分割する旨を登記しなければなりません(これを土地の分筆といいます)。
(2)次に、マンション管理組合の規約を変更します。
 管理組合規約にはマンションの敷地に関する記述がありますが、敷地の一部を分離処分するのですから、敷地面積、図面などが変更されます。
 規約の変更には、集会における区分所有者および議決権の各四分の三以上の賛成が必要です。
(3)最後に、敷地の売却について、区分所有者全員の書面による合意をとりつけなければなりません。
 マンションの敷地は、区分所有者全員の共同の所有物として扱われていますので、今回、分離処分する敷地についても区分所有者全員が所有権を有しています(これを共有といいます)。したがって、不動産売却の契約のためには、民法第二五一条により共有者全員の合意が必要であるため区分所有者全員の署名押印をとりつけることとなります。
 なお、売却時の利益は、通常、各々の持分に応じて区分所有者に還元されます。将来の大規模修繕の資金に不安のあるマンションであれば、これをすべて修繕積立金(一時金)としてマンションの資産とすることも検討されてはいかがでしょうか。この場合、標準管理規約では、総会の普通決議による承認が必要とされています(第四七条二項、四八条三項)。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1997年6月掲載

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管理費等の請求を第三者にしてもよいか

当マンションには、滞納者が一人います。滞納者本人からの入金は全くないのですが、滞納者の弟さんからの入金は定期的にあります。先日、その弟さんから「請求を私にしてください」と言われました。管理費等の請求先をその人に変更しても問題はないのでしょうか。

 管理組合は、当該マンションおよび、その敷地・附属施設の管理を行うために必要な経費を、通常、管理費・修繕積立金(以下、管理費等)として区分所有者から徴収しています。また、区分所有者は管理組合に対して管理費等の支払義務がありますので、管理組合は管理費等の支払いを区分所有者に当然に請求しています。
 上記質問の場合、滞納者の弟さんとはいえ管理組合にとっては第三者となる人からの入金を管理組合として受け取ってよいかということですが、その入金の目的、つまり滞納管理費の支払いということが明確であれば問題はないと思います。
 次に、区分所有者から区分所有者ではない第三者へ請求先を変更することが可能かどうかということですが、本来、滞納者の弟さんはこの滞納管理費等についての支払義務は全くありません。
 兄弟間で例えば兄にかわって弟が支払うという約束ができている場合もあり、このような場合、管理組合として本来支払義務のない第三者へすぐ請求するのは、その約束を認めたといわれる可能性があります。安易に請求先を変更してトラブルとなっているケースも少なくありません。
 滞納管理費等の請求は原則どおり支払義務のある区分所有者にしておくほうがよいでしょう。どうしても請求先を変更したい場合でも、滞納者本人と第三者の両方に請求するとか、滞納者である兄の名前での請求書を本人へ、その請求書の写しを弟さんへ送るという方法がよいでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2000年3月掲載

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「マンション管理適正化法」とは

「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」という新しい法律が二〇〇〇年一二月に衆院本会議で可決・成立し、一二月八日に公布されたと聞きましたが、どんな法律でしょうか。

 国土交通省の資料によると、分譲マンションの戸数は平成一一年末現在で約三六七万戸あり、約一〇〇〇万人が分譲マンションに住んでいます。
 また、同じ資料では、建設省(現国土交通省)の告示に基づくマンション管理登録業者は五三五業者あり、これらの業者がマンション全体の約八〇%の管理を行っていると報告されています。
 これだけ多くの人がマンションに住み、その管理を管理会社に委託しているにも関わらず、これまで国としてマンションの管理そのものに焦点を当てた法の整備は行っていませんでしたが、平成一二年二月に行われた衆議院予算委員会の質問がきっかけとなって、議員立法によりこの法律が立案されました。
 この法律のポイントは次の通りです。
 まず、マンション管理業者は、国土交通省への登録が義務づけられます。登録を受けない業者は営業できません。また、事務所ごとに国家資格試験に合格し、二年間の実務経験を有する「管理業務主任者」を置くことが義務づけられました。
 次に国家資格試験による「マンション管理士」の制度が新たに発足します。マンション管理士は管理組合や区分所有者の相談に応じ、マンション管理組合の運営や管理について助言や指導等の援助を行います。
 更に、マンション管理業者の業務に関して、業務規則が設けられました。
 例えば、契約の締結にあたり、予め管理組合に対して業務内容、費用などの重要事項を説明すること、財務諸表等の情報開示、契約成立時の書面交付、再委託の制限、管理事務の報告などの業務規制があります。
 これまで、マンションの管理会社に対して、業界での自主規制や監督官庁の指導はありましたが、法律による規制はありませんでした。今回は、規制緩和が叫ばれる中での新法制定です。得体の知れない業者や団体から管理組合を保護する意味がある反面、いわば時代の流れに逆行した施策とも受けとめられる面があります。規制や形式を整えることに走るあまり、管理組合に必要以上の負担を求めるようでは、「良好な住環境の確保」というこの法律の本来の目的に反することになるため、今後整備される省令や通達が注目されています。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2001年5月掲載

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区分所有法の改正及び施行について

区分所有法が改正され、施行されたと聞きました。どのような点が変更されたのでしょうか?

 区分所有法が平成一四年一二月一一日に改正され、平成一五年六月一日より施行されました。
 改正の概要は以下のとおりです。
(1)共用部分の変更
 大規模修繕などの保存・現状維持を目的とする工事を実施する場合の決議要件が「四分の三」から「過半数」に緩和されました。
(2)管理組合の法人化
 管理組合が法人となるための三〇人以上という人数要件が撤廃されました。
(3)規約・議事録等の電子化
 規約・議事録の関係書類は、法務省令で定める署名押印に代わる措置をとることにより、電磁的記録をもって作成することができます。
(4)議決権行使の電子化
 書面による議決権の行使に代えて、規約または集会の決議により、法務省令で定める電磁的方法により議決権を行使することができます。
(5)書面または電磁的方法による決議
 区分所有者全員の承諾があるときには、書面または法務省令で定める電磁的方法による決議をすることができます。
(6)建替え決議
 マンションの建替えについて、円滑に進める措置として、建替え決議の要件の見直しがされました。改正前の区分所有法では、建物の状況が要件の一つとしてありましたが、それが撤廃され、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、建替えが可能になりました。
 また、建替え決議がされる場合の手続きの整備がされ、建替えを目的とする集会の招集を二カ月前に行うこと、建替えに関する情報の提供、説明会の開催が義務づけられました。また、改正前は同一敷地においてしか建替えが認められていませんでしたが、隣接地を含めた建替えが可能になりました。
 大まかな概要としては、以上のことがあげられますが、それ以外に当事者適格の明確化や復旧時における買取請求権の手続規定、規約の適正化なども盛り込まれています。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2003年6月掲載

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