親父へ
今 親父の火葬が終わるのを待っている。俺にとって最も
恐ろしかった、来て欲しくない時間だったけど、今、なぜか
すごく気持ちが落ち着いているよ。じいちゃんが火葬される時
親父が「おじいちゃんさよなら!」と大声で
呼びかけたのを覚えているよ。親父が亡くなったら、俺も
同じようにしようと思ってた。だからさっき「親父、さよなら、ありがとう」
と叫んだんだ。それで少し気持ちが整理できたのかもしれない。
今、隣で聡介もじいちゃんへの手紙を書いているよ。
どうやらお盆に帰ってきて、と書いているみたい。
今日は雲ひとつない青空。親父、長い間おつかれさま。
ありがとう。さようなら。