『葬式』「その日」の続編  猪手槌(ペンネーム)

ついに、祖父との最後の別れとして、棺桶に花を入れた。「おじいちゃん・・・」祖母の葬式から4ケ月経たぬうちに祖父もあの世に行ってしまった。二人続けては、さすがに身に答えた。火葬場に着き、祖父が中へ入っていく。もう、祖父には会えない。点滴で、ふくれた腕も、冷えた体も、手術の傷あとも、見ることは出来ない、私は悲しくなった。
皆が、祖父の話をしている中で、私は、祖父への手紙を書いている。きっと今祖父は、私の書いた小説「その日」を読んでいることだろう。まぁただの手紙だが。小説家ぶって続編を書いているが、祖父には、自分がモデルとなっていて恥をかいているに違いない。私は、祖父にこの小説を読んで欲しいと思う。もうすぐで、私は骨になった祖父と会う。
祖父は、天国の祖母と会うと思う。祖父は怒られていると思う。あの世があるかは分からないけれど、これだけははっきりしている。祖父はたくさんの人を悲しませた。これは許されるものではない。せいぜい私たちを見守ってもらわねば困るのだ。
 

iRKer

 

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