きちんとした礼儀作法、知っていますか。自分の子どもや若い世代へ伝えることができますか。時代は変わっても、日本人の大切な伝統文化は後世に残しておきたいもの。大人も知っているようで実は知らない(!?)スマートな立ち居振る舞い方も、分かりやすい解説付きで伝授します!
(社)茶道裏千家助教授、(社)華道小原流教授、(社)全日本きものコンサルタント協会会員、マナー研究家など、数々の経歴を持つ。みつた女性教室では、茶道・華道・着付けを指導している。
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マナーインストラクターとして、マナー教室・企業研修で活躍。NHK広島文化センターや西条プラザ文化教室(東広島市)で、くらしやビジネスのマナー教室を開催している。RCCラジオ「のりこの実践マナーレッスン」出演中。
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みつた女性教室 主宰
満田 和江さん
日本現代作法会 正師範
村山 紀子さん

感謝と尊敬の心を表現

 良い人間関係を築くには、節度を持った対応が必要不可欠。日本現代作法会・正師範の村山紀子さんは、礼儀作法の必要性を「お互いに心豊かに過ごすことができるように、自分と相手がいるところには必ず発生するもの」と言う。社会や学校だけでなく、親子関係においても礼儀は忘れないようにしたい。
 みつた女性教室・主宰であり、マナー研究家でもある満田和江さんは、「お相手を敬い、感謝する心の内から、礼の心が生まれます。お相手とは、神仏・食物・隣人をいいます。自然に恵まれている私たち日本人は、いにしえより、自然の営みの中に神の存在を感じてきたのです」と話す。「節度ある心を表現する方法として、美しい立ち居振る舞いや正しい言葉使い、服装のTPOがあるのです」と、満田さんは続ける。

現代と昔の違い

 20年ほど前、満田さんは某テレビ局から、「今の若い女性を見てどう思われますか」とインタビューを受けた。そのころから、礼儀作法が崩れてきているのだ。全体的に軽きに流れすぎている現代。どこかで歯止めをかけなければいけない。「礼儀作法のしつけは家庭から」と言い切る満田さんは、「家庭の中で、親から子へ礼儀作法を伝えられなくなってきているのが現状。また、子どもにとって目標となる大人が少なくなってきていることも原因です」と話す。
 子どもが何かをしようとしている時、せかしたり手を出したりする、忍耐力のない親が増えている。満田さんは、「心が成長するには時間が必要なのに、その必要な時間を持てなくなっているんですね。そうすると、『自分にはできない』と、すぐあきらめてしまう子どもや若い人が増える一方。親は辛抱強く、長いスパンで物事を考えていく必要があるのではないでしょうか」と指摘する。村山さんも同じく、「礼儀作法のしつけは幼児期に、家庭で大人から教わるもの。昔とは生活スタイルが違い、核家族化で、人と接する機会が家族の中でも少ないのでしょう」と話している。
 「いろいろな人と接しないので、大人もコミュニケーションがうまく取れなくなってきています。そうすると、大人が子どもに教えられなくなり、悪循環が生まれるんですね」と、村山さん。
 また、満田さんは、「自国の伝統文化を知ろうともせず、『アメリカはこうしているから』などと、国際化を取り入れる人が多いように思います」と話す。

子どもや若い世代へ伝承

 満田さんは、呉市にある私立の女子高校で礼法の指導も行っている。その内容は、和室での立ち居振る舞いや他家への訪問時の玄関でのマナーなど。「女子高生が講義に熱心に耳を傾けてくれるのがうれしい」と、満田さんは言う。また、日本の伝統文化を子どもたちへ伝えていこうという文化庁の委嘱を受けて東広島市で開講している「こども作法教室」では、村山さんが指導にあたっている。村山さんは「実技実習で礼儀作法が楽しく学べる教室です。また、家でお母さんが子どもに『今日はどんなことを習ったの?』と聞いてもらうように協力してもらっています」と話す。
 大人も子どもも日本の美しい礼儀作法を身に付け、普段の生活に生かしていきたいものだ。

●ふすまの開け方 ●座布団の座り方
1.ふすまの正面に座り、引き手に近い方の手をかけて、手が入るくらい開ける。 2.下から25cm程度の親骨の部分を持ち、体の中心まで静かに開ける。 3.手を替えて、2と同じ部分を持ち、残りの半分を開ける。 1.正座の姿勢から、両手を軽く左右に置き、両足を爪立てて踵(かかと)をそろえ、腰を乗せ、跪(き)座の姿勢に。 2.座布団に近い方の膝を上げる。この時、できるだけ座布団に近づく方が移動しやすい。 3.反対側の膝も少し浮かせて、つま先を回し、両膝を座布団の中央へ移動させる。 4.膝をそろえて、座布団に付ける。
●座布団の座り方 ●座っている時の真(しん)(ぎょう)(そう)のお辞儀の仕方
5.踵を座布団の上へ。 6.きちんと正座をし、両手は重ねる。 一番丁寧なお辞儀。両手を膝前に寄せて畳に手のひらを全部付け、上体を低く倒す。戻す時は、静かにゆっくりと。 指先から静かに畳に両手を下ろし、指の第二関節まで畳につけて、上体を軽く倒す。 会釈礼ともいわれる、ごく軽いお辞儀。指先は軽く畳につく程度で、上体を15度くらい少し倒す。
座布団は、縫い目のない「輪」を前にし、縫い目に「被(きせ)」をかけている方が表。客は、座布団を動かしたり、裏返しにしてはいけない。また、座布団の上に立つのも厳禁。

真・行・草とは?
お辞儀や、茶道でいうふくささばきや道具の格付けなどの段階のこと。真は最も格が高く、次いで行、草の順となる。現代のファッションに当てはめると、真は第一礼装の「フォーマル」、行は「セミカジュアル」、草はTシャツとジーパンの「カジュアル」といったところ。
正座のコツ
左右の足の親指を重ね、踵と踵の間を広げたところに腰を乗せる。上から引き上げられているような感じで、腰に力を入れて、背筋はまっすぐに。
なぜ畳の縁を踏んではいけないの?
昔の畳の縁生地は、主に絹や麻布でできていて、染色も植物染めがほとんどだった。実用的な丈夫さでもなく、色も飛びやすかったため、丁寧に扱われていた。昔の布地は貴重品だったため、踏むことはタブーとされていたのだ。

●お茶のいただき方
1.茶托を片方の手で持ち、片方の手を添えて、縁外から縁内へ移動させる。 2.上体を倒して、茶碗を取る。 .上体を起こして、茶碗を手のひらの真ん中に乗せる。 4.飲む時は、片方の手も添えて。 5.飲み口を親指と人さし指で左から右へ拭き、懐紙などで指先を清める。
●食事の作法 懐紙
はし お椀のふた
はしは、縦でなく横にして割る。 汁物などのお椀のふたを開けたら、水滴を落とさないように、ふたをお椀の中央へ。ふたを置く時は、三手(みて)あつかいで(右手でふたを取り、左手であつかい、右手で持ち、左手を添えて置く)。 懐紙は、このように、大皿に盛られた食べ物を取る時に添えたり(手を受け皿代わりにするのは×)、魚を食べる時に、手が汚れないよう魚の頭を押さえる時に使ったり、魚の骨を隠したり、口の汚れ拭きに使ったりと、持っておくと何かと便利。
●食事の作法
器とはし
手で器を持って食べる場合は、まず器を持ち、はしを取り、器の下ではしを人差し指と中指の間で挟んだ後に持つ。先にはしを持ち、器を取るのは間違い。置く時は、はしから置く。食べ終わったら、器は、出入り口に近い下座の方に置く。

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