
日ごろから運動をしている人は、身のこなしも軽やかで表情や動作が実際の年齢より若く見えることが少なくない。年齢を重ねることからくる、筋肉の衰えや身体機能の低下は誰にでも訪れる。けれども、日ごろから運動をしている人は、からだの機能低下の速度を緩やかにすることができる。
TSS文化大学で健康体操の講師をしている島村陽子さんは、「機敏な動きを手に入れるためには、からだ全体の筋肉すべてがしっかり動くことが大切です」と話す。顔の筋肉が衰えると表情の乏しい顔になるし、腹筋背筋が衰えるとからだをしっかり支えることができずに姿勢が悪くなったり、腰痛や肩こりにつながる。毎日の通勤時の階段の上り下りで息切れを感じるような人は脚の筋肉の衰えとともに、呼吸に必要な胸郭や横隔膜などの呼吸筋が弱くなっている。
積極的にからだを動かすことで、脚や腰の筋肉を鍛えるだけでなく、全身の持久力を高めると、身体内部の臓器や組織の働きが高められ、老化の進行を遅らせて若々しさを保つことができるようになる。
加齢よって筋力の低下もさることながら、筋肉量そのものも減少してくる。久野譜也監修「代謝高めて中高年ダイエット」によると、人が生きていくために最低限必要な各臓器のエネルギー消費の合計を「基礎代謝」といい、この基礎代謝で一番占める割合が高いのが筋肉であると解説されている。
筋肉量が低下すると、基礎代謝も低下することになり、食事などから摂ったエネルギーが消費されにくくなって、太りやすい体質になる。食事の量はそれほど変わらないのに、最近ウエストがきついとか、二の腕のたるみが気になるとか、変化が出始めると要注意。「基礎代謝」を高めて摂り込んだエネルギーの消費をよくし、ダイエットにつなげたい。
|
筋トレの例
|
|
スクワット
|
 |
|
|
| 両足を肩幅に開いて立つ |
|
両腕でバランスをとりながら、ひざを45度くらいまで曲げて、1秒間静止し、ゆっくり元の姿勢に戻る |
|
上体起こし

|
| 仰向けになり、両ひざを立てて、足を肩幅に開く。両腕を前方に伸ばしながら、ゆっくりと上体を起こす。1秒間静止し、ゆっくり元の姿勢に戻る |

筋肉量を維持するためには、運動としての筋トレが必要となる。ウォーキングは有酸素運動の代表格だが、脂肪燃焼には大きな効果があるが基礎代謝の維持には効果が少ないといわれている。
代謝を高めるために、下半身・胸と腕・大腰筋などを鍛えよう。ダンベルを使ったウエイトトレーニングは自宅でできる運動として有名。ゆっくりと呼吸を止めず、使っている筋肉を意識しながら行うのがポイントだ。
スクワットやひざをついたままでする腕立て伏せ、両腕を前方に伸ばしながら行う上体起こしや立ったりしゃがんだりの繰り返しも、家庭で簡単にできる筋力トレーニングになる。
日常の家事もやり方しだいで運動になる。台所仕事はつま先立ちで行う、洗濯物干しはしゃがんだり腕を伸ばしたり、床掃除はモップを使わず雑巾がけにするなど、意識してなるべくからだを大きく動かすように心がけるとエネルギーの代謝が高くなる。
「運動を行うときの注意点として、運動を始める前に自分の体調を確認して無理のないように。また、けがや事故を防ぐためにストレッチなどのウォーミングアップを行い筋肉を柔軟にほぐすこと。体力アップを目的とする場合は、ややきつめの運動をして負荷をかけ、からだを刺激すること。運動後は使った筋肉をいたわるために、必ずウォーミングダウンを行いましょう」と島村さんは指摘する。
注意を払いながらからだを動かして、若々しく毎日を過したいものだ。 |