『消費者団体と称し
マンション管理組合を利用する団体の本質を見なさい』

日本にはマンションを束ねる任意の団体が知っているだけで17団体がある。はじめは理想に燃えてマンション住人を守るのだ、助けるのだ、マンション住人はかわいそうだと言って旗揚げをしてきた。
ところがある程度の管理組合が集まってくると任意の団体は事務所の運営に力を入れなくてはその団体を維持継続していくことが困難になる。
そこですべての団体は管理組合から会費を取り、管理会社の紹介から、業者の紹介に力を入れていく。
マンション住人も最初はありがたがるが、だんだんと様々な匂いを感じてくるようになる。ここでマンション住人は二手に分かれる。
一つはその団体から遠のく。一つはその団体の利権に自分もあやかりたくて、その団体の幹部になる。
団体の幹部になって壇上で話をさせていただいて喜んでいる人はそれでいいが、入ってきたお金に魅力を感じる人が多くなると、団体は争いが起き分裂してしまう。
また団体の中の争いをできるだけマンション住人に見せないようにする。姿かたちはマンション住人のことを真剣に考えていると言いながら、彼等は自分の利益獲得に懸命に動く。すべてのマンションに関わる任意の団体はこのような争いが絶え間なくある。
知らないでその団体に会費を納め、すべてのマンション運営権を預けているマンションが多くある。
残念だが事実だ。このような団体はマンション住人はいち早く見つけて離れたほうが利口である。
任意の団体の役員をする人達は比較的暇な人が引き受ける。
世の中は不景気である。どの社会でも考えることは決まりきった浅はかな悪知恵である。
団体が小さな時は、その団体の理想が表にでているから、団体の役員がいい人に見える。世の中にいい人は星の数だけいるが力のある人材はいないと言っても過言ではない。
だが小さな団体が少しずつ増えてきて、人のよい団体の役員は勘ちがいを始める。俺は力があるんだ、俺は人材なんだ、俺は立派な人なんだと、勘ちがいをしてしまう。マンション住人は金額の差はあってもマンションを購入した区分所有者である。大きな金を動かした経験者である。

冷静にその役員達を見ると、おかしいと思い、疑いを持ってしまう。
お茶を飲みながらの話だと親しみを感じ、その人を見抜けないが、団体が大きくなってくると大きな会場で話をしなくてはならなくなる。日々立派なことを行っていた役員が壇上に立って話をするし、聞き手の気持ちを無視して何を言っているのか分からない。
こんなことが数回続くと完全にその団体に不信を抱き、離れて行く。離れて行くだけならいいが団体の中で争いが起きる。役員同士が「お前の指導力がないから会員が離れて行くのだ」とそんなもめごとの連続であるから日本にあるすべての任意の団体は大きくならない。
マンション住人の信頼を勝ち取ることができずに今日を迎えているのである。
都会にはマンションが隣接している。そのような地域には行政は積極的にマンションコミュニティーセンターを造っていただきたいものである。するとこのようなくだらないことは起きないはずである。

(管理組合新聞 平成12年3月1日付)

管理組合新聞編集兼発行人
中島 猷一さん(54)
 管理組合新聞編集兼発行人。1945年東京都生まれ。67年法政大学卒。71年管理会社を設立。管理会社経営で培った経験と知識を生かして、96年管理組合新聞を設立。全国の管理組合、自治体を回ってセミナーや講演活動を行っている。著書に『マンションの管理革命』、『マンションの価値は管理組合で決まる』、
近著に『マンションの資産価値を高める本』(すべて講談社)がある。