管理費等はマンションを維持・運営していくのに必要不可欠なものであり、各区分所有者は管理費等を納める義務があります。もし滞納した場合には、訴訟を通じて実力行使することもできます。しかし、管理費等の請求をしない場合には、消滅時効が成立し管理費等を請求することができなくなることも想定でき、またさまざまな事情により管理費等を放棄せざるを得ないことも生じます。

@管理費等の滞納について、管理費等を請求しなければ、消滅時効5年(平成16年4月23日 最高裁判例)により消滅する。
A管理費等を放棄するには、管理組合が法人の場合は集会の普通決議を必要とし、管理組合が法人でない場合は、区分所有者全員の同意を必要とする。
B管理費等を請求する場合は、標準管理委託契約書では、マンション管理業者が、「電話」「訪問」「督促状」による順で督促し、それでも支払わない場合は、管理組合の承認を得て「氏名の公表」をすることができる。
 
 管理費等の滞納者が区分所有建物を売却した場合、新たに購入した特定承継人に対してもその滞納した管理費等を請求することができます。また管理組合が管理費等の滞納者に有する債権や、他の区分所有者が管理費等を立て替え払いした債権は、滞納者の区分所有権及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を行使して、優先弁済を受けることができます。

■管理費等の時効に関する最高裁判決について
 民法では、家賃など1年以内の短い間隔で定期的に徴収される債権(定期給付債権)については、領収書などの証拠書類が保存されにくいため、長期間経過した後に不当に請求されないよう、一般的な債権とは異なり、5年間で支払い義務が消滅すると定めています。
 平成16年4月23日の最高裁の判決で、滞納した管理費等や修繕積立金は「定期給付債権」に当たるとの判断が示されました。
 マンション管理組合が部屋の所有者に、管理費等と修繕積立金を何年前までさかのぼって請求できるかが争われた訴訟の判決で、従来、滞納した管理費等や積立金の時効が五年か10年か、地裁や高裁の判決は分かれてきました。学説も二分されており、最高裁による明確な基準を求める声が強くありました。平成16年4月23日の最高裁判決が「五年」と明示したことで、今後は司法判断が統一され、住宅ローンの返済に追われて支払いが滞ったり、部屋の購入者が前所有者の滞納分について支払いを求められるトラブルの件数も減少する事が予想されます。反面、悪質な滞納者を保護する結果を招くおそれも危惧されます。
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