マンション管理の基礎知識

<マンションの設備機器(7) 自家用電気工作物>

◆受変電設備と発電設備
一般家庭や商店の屋内配電設備等は総括的に「一般用電気工作物」とよばれ、マンションの個別の住戸もその中に含まれます。それに対して、給水設備、排水処理設備、共用設備等で使用される電気設備のうち、高圧(600V以上)の受電の設備と10KW以上の自家用発電設備は電気事業法により「自家用電気工作物」と呼ばれます。
自家用電気工作物は、電気事業法により、一定の技術基準に適合するように維持しなければなりません。
また、自家用電気工作物の工事、維持、運用に関する保安を確保する為に、設置者は「保安規定」を定めることが義務づけられています。
保安規定は工事や維持管理をする者の職務や組織、保安教育、保安の為の巡視、点検、検査などについての取り決めです。このような工事や維持管理は誰にでもできるものではなく、保安業務に係わる責任者として「主任技術者」を選任することが義務づけられています。
保安規定と主任技術者は設置者が通産大臣に届け出ることになっていますが、管理組合がそれをするのは現実には難しいため、電気保安業務の専門業者や電気保安協会などへ維持管理を含めて委託するのが一般的です。

◆維持管理
自家用電気工作物は、適切な点検を行い、設備の維持管理をしなければ故障や事故の発生につながります。また、絶縁劣化によって感電や火災などの災害の原因になることも考えられます。
保安規定では設備の工事、維持、運用に関する保安のために、巡視、点検、手入れをすることが義務づけられています。
点検は日常巡視点検、定期点検、精密点検の3つに分けられます。

(1) 日常巡視点検
電気設備を日常管理する上で、欠かすことのできない点検です。月に1回は、機器を運転状態にしたまま、損傷、変形、加熱による変色などの異常の発見につとめます。異常箇所が発見されたら、ただちに処置することが必要です。

(2) 定期点検
1年に1回、全設備を停電させて、機器の清掃、締めつけ点検、各機器の絶縁抵抗測定や保護装置の作動試験などを行い、技術基準に適合しているか確認します。

(3) 精密点検
3年に1回、全設備を停電させて、各機器の特性試験、自家用発電設備ある発電機やエンジンの分解点検、変圧器などの絶縁油の劣化測定を行います。

変電設備で変圧された電気は分電盤を経由して各家庭に送られます。また共用部分の電気も分電盤で、玄関・廊下・階段などの電灯回路と、エレベーターや給水・排水設備類の設備回路に分けて送られます。
各家庭の個別メーターや分電盤は、2年に1回は電力会社による漏電検査と点検が行われています。