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| マーケティングプランナー 今渕 恵子 |
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私たち一家はとにかく、鳥や動物が大好きで、近所はもとより、アフリカから、北海道まで、1年中バードウォッチングやアニマルウォッチングに出かけている。息子が3才のころ、近所の公園にいたカモたちにえらく興味を持ったのがきっかけで、もともと山歩きが好きだった私たち夫婦もこの世界の楽しさにどっぷりと浸かっている。このごろは鳥だけでなく、リスや、ムササビ、キツネなど哺乳類の観察にもはまってしまった。
最初のころは、親がいろいろ計画を立てたり、教えたりだったけれど、息子ももうすぐ11才。今では親の方が連れて行かれたり、教えられたりだ。親と子、という、タテの関係ではなく、同じ楽しみを共有する仲間、というのは、とても楽しい。 だが、鳥や動物を観察するということは、楽しいことばかりではない。
戦後、私たちは高度成長の中で、日本の豊かな自然を作りだしてきた広葉樹の森を伐採し、「経済」のためにスギ、ヒノキなどの針葉樹ばかりの森に作り替えてしまった。そして今、その針葉樹林の経済的価値は下がり、手入れもままならないままに、荒れ果てた森が多い。そんな森に、生き物たちはほとんど暮らせない。 動物や鳥が大好きな息子にしてみれば、将来は真っ暗だ。まだ見たことのない、ツキノワグマも、絶滅してしまうかもしれない。「どうしたらいいんだろう。ねえ、僕たちも木を植えようよ」と、いつもいう。 とはいっても、いったい、どうしたらいいのだ! |
![]() そんなこんなで、あがいているさなか、何気なく見ていたテレビ番組を通じて出会ったのが、「カミネッコン」だ。TBSのテレビ番組や、朝日新聞などでも紹介されていたので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれない。 正確にいえば、北海道大学名誉教授の東三郎先生が考案された、バイオブロック工法による植樹法だ。さっそく取材に出かけ、結局自分も指導者の資格を取ることにした。 簡単に説明すると、
それだけだ。ポットごと置くだけなので、穴を掘って移植する方法に比べて、苗の根を傷める恐れが少ない。ポットの中で守られながら育った根はやがて、自力で大地に根付いていく。また、苗がしっかり育つまでポットが守ってくれるから、乾燥や草などに負けずに育つ。ポットは、やがて風化して土に戻る。ポットの組み立ては自宅のテーブルでも簡単にできるし、苗作りはベランダや小さな庭でも十分できる。そして、何より、子どもでも、お年寄りでも、誰でも、いつでもできるということが、おもしろい。
マンションで小さな森を創ることだってできるかもしれない。なにしろ、型枠も再生段ボールなら、中に詰めるのも、家庭の中から出る新聞紙などの古紙だ。そして、その古紙をまた森へと返すこともできる。リサイクル、といえば、究極のリサイクルだ。 でも、何より大切なことは、街に暮らす私たちが、毎日の生活の中で、種が芽を出し、そして育っていく姿を楽しむことではないだろうか。子どものいる家庭なら、大人が、当たり前のこととして、生き物を育む姿を子どもたちに見せることではないだろうか。そんな環境に子どもたちを育てることが、やがて、ほんとうに豊かな森を育てることにつながるのではないだろうか。今、ほんの少しずつだが、息子や夫と種を拾い、苗を育て、森に苗を「置いて」いる。私たちの育てた木々に鳥やリスたちがやってくることを願いながら。 豊かな森が滅びることで、一緒に滅びてしまうのは、動物や鳥ばかりではない。 私たちヒトもまた、ずっとずっと、豊かな森に育まれてきたことを忘れてはいけないと思う。 2002年3月掲載 |
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