ダリアの品種は3万種!

花車(フォーマルデコラ咲き
中小輪/1.0m/赤/ご家庭での切り花に使える品種。摘芯仕立てでたくさんの切り花が取れる
Photo Masayuki Fukuoka
 
初夏から秋にかけて、空に向かって元気に咲き続けるダリア。子どものころの記憶のどこかに、季節がめぐるたびに、庭先で勝手に咲いていたダリアの花の記憶がひそんではいませんか?
 あまり手をかけなくても、夏がくるたびにくり返し咲いてくれる丈夫なダリアたち。元気なビタミンカラーと際だったフォルムは、マンションのベランダガーデンに、華やかさをプラスしてくれるでしょう。
 ダリアはキク科の球根植物で、メキシコやコロンビアの冷涼な熱帯高地に自生します。球根は細長くサツマイモのような形。メキシコのアステカ族は薬用に栽培していたといわれています。原産地からヨーロッパに伝わったのは18世紀末、フランス革命のころ。バラの収集で有名なナポレオンの皇后ジョセフィーヌは、ダリアのコレクションにかけてもよく知られています。
 園芸植物としてのダリアは、3万種ともいわれる品種数を誇ります。花の大きさは2センチほどのかわいらしい小輪から、30センチを越えるびっくりするほどの巨大輪まで。花型は、シングル咲き、アネモネ咲き、カクタス咲き、デコラティブ咲き、ポンポン咲きなどきわめてバラエティーに富んでいます。草丈も30センチほどの低いものから、数メートルの高さのものまで。さらに花色は、純粋な青色をのぞいてすべての色がそろうほど豊富です。花びらの先が白い「爪白」や、逆に花びらが基部に向かって白くなっていくもの。ぼかしが入るものなど、複雑な配色の妙もダリアならでは。このわくわくするほど多種多様な品種の中から、あなたのベランダや屋上ガーデンにぴったりのダリアを見つけてみませんか?

ダリアの夏の管理

 ダリアには夏の花のイメージがありますが、真夏の暑さは苦手です。6月から咲き始めて11月上旬ごろまでの長い花期を維持するには、なんといっても夏を無事に過ごさせることがポイント。8月から9月の暑い時期には、夕方から夜にかけて、ホースに蓮口をつけてダリアの葉裏に水がかかるようにたっぷりと水を与えます。株を冷やす効果と同時に、夏に発生しやすい葉ダニを退治する効果が期待できます。また鉢植えなら日陰に移動させ、直射日光が株元に当たるのを防ぎます。
 通常時の水やりは地面がかわいたらたっぷりと。水をあげすぎると、根腐れの原因になるので注意しましょう。植えつけから1〜2ヶ月後には、植えつけ時に施した肥料の効き目が薄れてくるので、そのころから適時追肥をすると、つぎつぎと花を咲かせてくれます。



鉢植えで楽しむダリア

ダリアを鉢に植えるときは草丈の低めの品種を選びましょう。摘心をして花数を増やすように仕立てればこんもりとボリュームが出て、いい感じ。切り花にしても楽しめます
1.瑞鳳(フォーマルデコラ咲き)
小輪/0.9m/赤紫/切り花を楽しめる品種。草丈が低いので鉢仕立にも適している
Photo Masayuki Fukuoka
2.神泉(フォーマルデコラ咲き)
中小輪/0.9m/赤爪白/切り花を楽しめる品種。草丈が低いので鉢仕立てでもじゅうぶん花を咲かせられる
Photo Masayuki Fukuoka
3.夜の白波(インフォーマルデコラ咲き)
中輪/1.0m/黒紅爪白/爪白はダリアを代表する配色。深い爪白は花を華やかに見せる
Photo Masayuki Fukuoka
4.桜貝(ポンポン咲き)
小輪/1.0m/桃に白弁混る/桃色のポンポンダリアのなかでは、じょうぶな品種。ときどき気まぐれに白弁が混じる
Photo Masayuki Fukuoka


ダリアの球根。発芽点を確認して切り分ける
Photo Masayuki Fukuoka
3〜5cmのウォータースペースをとります
Illustration NAOMI

ダリアの花の育て方

植えつける時期、支柱を立てる時期、摘心、誘引、芽摘みの時期など、ダリアをじょうずに育てるポイントは、それぞれの作業に適したタイミングをはずさないことです。植える地域によって、その年の気候によって、また品種ごとにそれぞれちがった個性を見せてくれるので、まずは毎日、ダリアの様子をよく観察するところから始めましょう。

1.球根から育てる
関東標準では4月の上旬から中旬がダリアの植え付け時。植え付けの時期を6月中旬から7月上旬まで遅らせて、真夏のいちばん暑い時期を苗の状態で過ごさせて、秋の花だけを楽しむという手もあります。植えつけには、培養土に緩行性の化成肥料を混ぜた土を使います。ダリアの株は横に張るので直径30センチほどの鉢に球根をひとつがちょうどよいバランス。

2.「摘心仕立て」で、たくさんの花を楽しむ
2対の葉が2段、大きな葉が計4枚開いたあたりで、主茎の芽を、まだ若くてやわらかいうちに摘み取ります。花を4つ咲かせる段取りができたら、次は脇枝の1段目の1対の葉の根元にある2つの脇芽だけ残してあとの脇芽は摘み取ってしまいます。これを4回ほど繰り返してつぎつぎに花を咲かせていきます。

葉が4枚開いたら主茎の芽を
カット
Illustration NAOMI
※関東ではダリアの茎をねらってズイムシが入りやすいので、太い主茎を早めにとめてしまうほうが安全です。脇枝にズイムシが入った場合は、その枝だけ切り取ってしまえば株は助かりますが、主茎に入ったズイムシはダリアの成長点から下に向かって降りていくので、その株全体を腐らせてしまうことになりがちです。
Illustration NAOMI

3.鉢植えのポイント
もちろん、園芸店に並んだポット植えの苗から育ててもOK。鉢植えで育てるなら、草丈が低めの品種がおすすめです。植え替え時の用土は水はけのよいものを使うと根腐れ防止に。咲き終わった花はこまめに花がらつみをおこないましょう。咲き落ちた花は病気の原因にもなりやすいものです。元気な株のダリアはどんどん蕾をつけるので、秋にはいっそう鮮やかさを増した、美しい花を見ることができます。

月刊ウェンディ194号より編集・転載

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