Photo Toshinori Irie
熱帯植物を中心に集めた
『シークレットガーデン』
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ダリアの園芸種は2万とも3万ともいわれ、愛好家に人気
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日本に「本物」のイングリッシュガーデンをつくりたい。歴史と伝統を持つ英国の庭園を、余すところなく紹介したい。そんな思いから、2002年4月、アンディ&ウィリアムスボタニックガーデンは開園しました。
園内は22のテーマに沿った整形式庭園と、風景にとけこむ自然風景園で構成されています。チューダー朝時代の建築様式を反映したハーブガーデン、フランスの影響を受けた時代の幾何学庭園、ツゲの緑が美しいトピアリーガーデンなど「イングリッシュガーデン」の多様さと奥深さをあらためて思い知らされます。
デザインと設計には、英国からランドスケープデザイナーのアンディ・マクルーア氏とガーデンデザイナーのウィリアム・ウルフ氏を迎え、両名の陣頭指揮のもと、英国の伝統的な工法でガーデンの骨格がつくられました。植物は世界中から集められ、2000種類にものぼります。現在もアンディとウィリアムは、年に2回ここを訪れ、植物が群馬の自然環境に適応しているかをチェックし、植栽プランをたて、植物の生長に合わせて景観を整えます。日本に誕生した英国式庭園は、彼らによって「本物」であり続けています。
可憐なたたずまいの秋の花は、絢爛豪華な春とはまた違った魅力があります。同じような色や、花びらの重なりが似ている花を合わせてまとまりを持たせ、細葉のグラスで引きたたせる。調和の中にも動きをつけた、そんなコンビネーションが似合う秋の庭です。
例えば、この時期に美しい組み合わせが、バラとダリアとコスモス。『ルイスガーデン』では、バラのそばに同系色のダリアとコスモスが植えられているシーンに遭遇します。バラの花が小ぶりになるころ、じゃあそろそろ私が、と言わんばかりにダリアが花を咲かせるのです。ダリアに支柱を立てないで育てると、バラの枝を支えにして自然に伸びてくる様も絵になります。
英国伝統のドライストーンで囲まれた『サンクンガーデン』
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秋こその美しさは、開拓時代を思わせる、トラディショナルな石垣に囲われた『サンクンガーデン』でも見られます。ノコギリソウやトリトマの細葉の間から、花弁の重なり具合が似ている数種類のダリア、花色の似たサルビア・コクネシア、ピンクのシュウメイギクが顔を出します。
夏に咲いた宿根草は花を早めに下から切り戻すと、残暑にあたって再び茎が伸びて、秋にもう1度花を咲かせてくれます。全体的に小ぶりで涼しげな印象になるので、主役の花を引き立てる、意外な脇役を演じることもあるのです。ナチュラルに見えながらも、それぞれの植物に合った方法できちんと手がかけられているからこそ、調和の中にも、植物の個性がしっかりと発揮されるのです。
伝統的な英国式ガーデンに、美しく咲きこぼれるバラは欠かせません。ここでは、130種ものバラが、それぞれの場所で精いっぱいの美しさを誇っています。バラのつるがアーチを立ち登り、支柱を覆い隠し溢れんばかりに花をつける春は、バラを愛する者には至福の季節です。中でももっとも豪華な気分を味わえるのがバラのアーチをくぐる瞬間。そのたびごとに香りのシャワーが降り注ぎます。
『シールズパレード』は、らせん状の石柱に香り高いつるバラを何種類もからませた連続するアーチ。薄い石板を1枚1枚微妙に角度を変えながら積み重ねているので、時間ごとに、また、季節ごとに光と影が刻々と変化し、見るたびに表情を変えています。
こぼれ咲くバラのアーチをくぐるのは至福のとき
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らせん状の石柱につるバラをからませた『シールズパレード』
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宿根草の美しさを堪能できる『ペレニアルボーダー』
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鳩小屋(ダブコート)を中心に幾何学的に区切られた花壇『ダブコートガーデン
』
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『ラバーズウォーク(恋人たちの散歩道)』は、つるバラのアーチを連ねたロマンティックな散歩道。道幅もアーチの幅も少々狭い感じがするのは、寄り添って歩く2人がもっと近づくようにとデザインされているからなのです。
さらに、この季節のみどころは、バラと宿根草の多彩なコンビネーションです。『ダブコートガーデン』のトレリスではバラとクレマチスが、『ルイスガーデン』ではシャクヤクと。『アナガーデン』にも、バラと一緒にたくさんの宿根草が饗宴しています。
1年を通してこの庭の植栽管理をし続ける、ヘッドガーデナーの福森久雄さんは言います。
「気候が穏やかで夏も涼しいイギリスと違い、冬の空っ風と夏の酷暑が厳しいこの群馬の地で、どこまで本格的な英国風ガーデンを作っていけるのか。5年先、10年先に少しずつ答えを見つけられるよう、まだまだ勉強中です」
月刊ウェンディ196号より編集・転載
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