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管理に関するFAQ

総会・理事会の運営

総会の議事録に、指名した署名人が署名押印しない場合は

総会の議長を務めました。総会の場で議事録署名人二名を指名したのですが、総会後、私が作成した議事録に不満があるとして議事録に署名押印をしてもらえません。議長の私だけが署名押印した議事録を正としたいのですが問題があるでしょうか。または、総会に出席した別の二名の組合員の署名押印を頂いても問題ないでしょうか。

 区分所有法第四二条には、「集会の議事については、議長が議事録を作成しなければならない」と定められています。また、同条三項には、「議事録には、議長及び集会に出席した区分所有者の二人が署名押印しなければならない」とも定められています。
 質問のケースでは、議長が指名した二名が議事録に不満があるとのことですが、よくある不満のケースは、(1)すべての発言者の発言を一語一語記述すべきだという主張をされるケース、(2)署名人の期待した決議が得られなかったケース、(3)記述に誤りがあるケースなどです。
 (1)のケースについては、マンション管理組合総会では、通常、「議事の経過」と「結果」を簡潔に記せば足りると思われます。ただし、工事の発注、規約の改正など、組合の出費などに関することや、組合員の権利・義務関係に影響を与える特別な決議については、その要領を詳細に記述する必要がありますが、発言の一語一語までは必要ないでしょう。
 (2)のケースでは、署名人は総会の開催にあたり、総会の決議を順守することを前提に議長の指名を受諾しているわけですから、適正に作成された議事録の署名を拒否することはできません。そもそも、議事録署名人は正式な総会の決議によって与えられた地位ではなく、議長の指名によるものなので、合理的な理由があれば、議長によって署名までに、先の指名を撤回し、交替させるのもやむを得ないこともあります。この場合、後に紛争となることも予測されますので、議案に対する賛成や反対の正確な員数を確認しておくことも重要です。そして、署名欄の下に特記として、署名人を交替した理由を記しておくべきでしょう。
 (3)のケースでは、間違いのない記述に訂正し、署名人が納得して署名押印するよう努めてください。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2007年4月掲載

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理事会議事録について

理事長をしています。このマンションの管理組合では、設立当初から、総会議事録は作成して保管していますが、理事会議事録は作成していません。管理規約にも、理事会議事録の作成、保管については何も規定がありません。先日、最近区分所有者になられた方から、「理事会議事録を作成、保管していないのは、管理者の善管注意義務違反に当たる」といわれました。本当にそうなのでしょうか。

 区分所有法には、集会(総会)議事録は作成しなければならないと定められていますが、理事会議事録については何も定めがありません。また、管理規約にも、理事会議事録について何も規定がない、ということですので、ご質問のケースは、区分所有法・管理規約上は何も問題はありません。
 では、理事会議事録を作成、保管していないのが、管理者の「善管注意義務」違反に当たるかどうかが問題になります。
 区分所有法には、「この法律及び規約に定めるもののほか、管理者の権利義務は、委任に関する規定に従う。」とあります。管理者と他の区分所有者との関係は、共用部分などの管理に関して、実質的に委任の関係にあり、管理者の権利義務に関しては委任に関する民法の規定が準用され、その一つに「善管注意義務」があります。
 「善管注意義務」とは、「善良なる管理者の注意をもって、管理業務を行う」ことで、注意義務の内容、程度は、その人の職業、社会的・経済的地位などに応じて、一般的に要求されることになります。
 ご質問のケースの場合は、区分所有法・管理規約に何の定めもないこと、また設立当初から理事会議事録を作成していなかった(理事会議事録を作成しないことが慣例的になっていた)ことから、善良なる管理者の注意をもってしても、見過ごされても仕方がないと考えられ、年一度は、定期総会にその内容も報告されていることでもあり、「善管注意義務」違反があるとまではいえないでしょう。
 しかし、マンション標準管理規約では、総会議事録にならって理事会議事録を作成するように規定されており、理事会で検討した結果を記録として残すことは意義のあることですので、今後は議事録を作成し保管することをお勧めします。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2007年6月掲載

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管理組合役員の辞任について

総会で承認された理事(監事)が、任期の途中で、特段の理由もなく辞任することは可能でしょうか?

 標準管理規約には、「理事および監事は、組合員のうちから、総会で選任する」と規定していますが、辞任に関しては、直接的な規定がありません。しかし、役員の任期に関して、「補欠の役員の任期は、前任者の残存期間とする」とか、「任期の満了又は辞任によって退任する役員は、後任の役員が就任するまでの間引き続きその職務を行う」とあり、理事(監事)が残任期間を残して辞任されることを予定しています。
 ところで、理事(監事)の就任は、管理組合とその理事(監事)との間の委任契約になると解され、民法では、委任について、「委任は各当事者において何時にてもこれを解除することを得。」と規定し、いつでも契約を解除することができることになり、解除のための特段の理由も必要でありません。
 それゆえ、総会で選任された理事(監事)が一旦就任を承諾したが、その後、特段の理由がなくても、任期の途中で辞任することはできるといえます。しかし、「管理組合業務が混乱する形」での一方的な辞任は、管理組合業務が停滞してしまう可能性もありますので、新たに総会を開いて、後任が選任されるまでの間は、残任期間中その職務を行うこととなります。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2007年7月掲載

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新会計年度開始前に予算案の承認を受けなければならないのか

マンションの管理規約では、新会計年度開始後三ヶ月以内に総会を招集しなければならない、と決められています。この方法だと、新会計年度開始後最長三ヶ月間は、予算案の承認を受けずに管理組合業務を行っていることになります。「臨時総会を開催して新会計年度開始前に予算案の承認を受けなければならない」という人もいますが。

 原則として、予算を執行するためには、総会で承認を受けて行うことは当然のことです。それゆえ、新会計年度が始まる前に、総会で次年度の予算案の承認を得るのが適正なことです。
 しかし実際には、多くのマンションの管理規約では、本問のように、新会計年度開始後に通常総会を開催することを規定し、また多くの管理組合では、その通常総会で前年度の決算と次年度の予算案の承認を受けて、済ませているようです。
 ところで、厳密に予算執行の適正な手続きを考えれば、予算と決算の年二回の総会を開催する必要がありますが、年二回の総会の開催手続きを行うことが大変わずらわしいことと、一般的には、管理業務にかかる予算の執行はそのほとんどが継続的、定型的な業務であることが多いことから、管理規約では、新会計年度開始後に通常総会を開催することとし、必ず決算が行えるように規約を規定しているのです。
 このように、理事長(管理者)が行う予算の執行は継続的、定型的(管理委託料や清掃代金などの支払い)な予算の執行であり、予算案の承認の有無にかかわらず、管理組合の業務として、支払いをする義務を負っていることから、新会計年度に入っての管理組合業務は、総会の承認を得る必要性も低く、旧予算に準じて執行されていれば、問題はないと考えられます。
 また、役員に関する規定についても、一般的なマンション管理規約では、新会計年度開始後三ヶ月以内に開催される総会にて選任されており、次期総会で新役員が選任されるまでの間を任期とすることが定められていますので、同様に予算も、慣行的に新会計年度開始後三ヶ月以内の通常総会で承認されているのであれば、新会計年度開始後も前年予算に準じて執行されることに問題はないと考えて良いでしょう。
 ただし、前年予算で見込まれていなかった多額の支払いなど(大規模修繕の支払い、管理費や使用料の改定など収入金額の変更、新たな多額の支払いの追加など)が発生する場合には、理事長の一存で契約を変更し、支払いを行うことは、委任業務に必要な善管注意義務に違反することにもなります。必ず臨時総会を開催し、予算案の承認が必要になりますので、注意してください。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2007年11月掲載

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