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管理に関するFAQ

総会・理事会の運営

長期の管理費滞納者が役員になることを阻止できるか

区分所有者のうち数人の長期の管理費滞納者が、自分たちが役員になるべく、現理事全員の解任を求める臨時総会の開催要求を行いました。現理事会はこの要求に応じる必要があるのでしょうか。また、理事になることを阻止することはできますか。

 区分所有法第三四条の規定によれば、区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上を有するものが理事長(管理者)に対して総会(集会)の招集を請求した場合、理事長は総会の招集をしなければならないことになっています。また、このときの定数を規約で減らすことができます。
 この手順をふまえて理事長に対して総会の招集を請求した場合、理事長は総会を招集しなければなりません。理事長が総会の招集を拒否した場合は、総会の招集を請求した区分所有者が連名で総会を招集することが可能となります。
 長期の管理費滞納者が理事になることを阻止できるかという問題ですが、管理費等の滞納があるなど、たとえ区分所有者に問題があったとしても、区分所有法では区分所有者の権利行使に差をつけることは認めていません。
 理事会としては、総会の開催要求を受け止め、理事の交替を諮る解任を問う議案を上程することになるでしょう。そのとき長期の管理費滞納者が混乱を起こそうとしている目論見の不当性を示し、解任の議案を否決に向かわせることが必要になります。
 もし解任となってしまった場合、総会の招集を請求した区分所有者が総会を招集することとなると思われます。その場合この人たちが理事になり、新しい理事会を構成される可能性がないとはいえません。この人たちが理事になることを阻止できるのは、総会の決議だけですから、組合員の一人一人の常識、判断力、組合への関心の高さなどが大切になります。
 管理組合は組合員の大切な財産を管理するわけですから、区分所有者の皆様の良識ある判断が期待できると思います。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2003年3月掲載

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任期の途中で辞任した理事長が議事録を作成してくれない

定期総会の際に理事会役員の不祥事が発覚したため、役員全員が任期を残して辞任してしまいました。そのときの理事長は不祥事が記載されるためか三ヶ月を過ぎても議事録を作成しようとしません。このような場合、新理事長が議事録を作成・配布することができるのでしょうか。

 区分所有法四二条一項には「集会の議事については、議長は議事録を作成しなければならない」と規定し、議長(一般的な規約では理事長が務めます)が議事録を作成する義務のあることを規定し、同条二項・三項には「議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名押印しなければならない」と規定し、議事録に記載する内容と作成手続を規定しています。この規定を設けた理由は、本法により、集会の決議が重要性を増したことによって、議事録が正確に記載される必要性を生じたためです。
 「議事の経過」とは、開会、議題、議案、討議の内容、表決方法および閉会などをいいますが、その要領で足りるので、経過を知りうる程度に要約して記載することになります。
 「結果」とは、表決を行って可決されたか否決されたかということであり、決議の成否が問題とされる場合もあるので、その根拠を示すために、各議決数を記載しておくことが必要です。
 さて、本問によると、理事長(議長)が議事録を三ヶ月過ぎても作成しないということですが、議事録を作成しないこと、また、記載すべき事項を記載しないことや虚偽の記載をすることは同法四二条に違反する行為であるとして過料に処せられることになります(同法七一条三号)。それゆえ、集会の議長を務めた前理事長に議事録を作成するよう説得することが必要でしょう。
 ところが、前理事長が説得しても議事録を作成しない場合に、本問の新理事長が議事録を作成することができるかということですが、議事録の作成義務者はあくまでも集会の議長を務めた前理事長ですので、新理事長であろうとその他の集会の出席者であろうと、同法四二条にいう集会の議事録の作成者にはなり得ません。
 しかし、前理事長がどうしても議事録を作成しない場合は、これにかわるものとして、先の集会の議事の経過及びその結果の資料とするために、同法四二条の規定にしたがって、集会に参加した者(新理事長と二人の区分所有者)が署名押印した報告書を作成しておくのが良いでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2003年3月掲載

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事前に通知のなかった議案に対する総会での決議は有効か

私の住んでいるマンションで総会があり、議案になかった駐車場の工事について、緊急に提案がなされ、現に出席された方々だけの賛成多数で承認されました。私は総会に出席できなかったので、他の議案には賛成で議決権行使書を提出していたのですが、議案になかったこの工事については反対です。この決議は有効なのでしょうか?

 集会(総会)の招集手続として、区分所有法第三五条一項において、「集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない」と定められており、事前に(1)会議の日時(2)会議の場所(3)会議の目的(議案)を通知しなければなりません。
 また、区分所有法第三七条一項において、「集会においては、第三五条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる」と定められています。
 つまり、事前に通知することにより各区分所有者は各議案について、十分に検討した上で集会に臨むことができます。しかし、事前に通知されていないと十分な討議ができませんし、集会に出席できない区分所有者は議決権行使書により議決権を行使できませんし、出席して意見を述べることによって、決議が否決されることもありますので、事前に通知されていない議案については、決議することができないのです。
 それゆえ、事前に通知した議案以外の決議は、賛成多数であっても、基本的には決議の効力がないことになります。
 ところで、建物の管理を円滑に行うためには、集会においては、柔軟かつ迅速に決議する必要もあり、特別決議を除く普通決議については、あらかじめ通知していない事項であっても決議ができるように規約で別段の定めをすることができます(区分所有法第三七条二項)。
 しかし実際には、無制限に通知していない事項を決議するというのは、問題があると思いますので、「現出席者の議決権のみで定足数を満たしている場合に」という議決要件に限って、かつ、「あらかじめ通知され議決された議案に関する事項(例えば、実施方法や細則の制定)」や「緊急を要する事項(保存行為)」という議決事項に制限をもうけて、決議できるとすることが望ましいと思います。
 以上のことから、本件決議の効力は、駐車場の工事がどのような工事であるのか明らかではありませんが、原則として無効といえます。しかし、「緊急に提案された」とあり、雨漏りやひび割れなどの緊急な事態(保存行為を要する事態)があったようにも思われ、このような場合には、規約に定めがある場合もありますので、規約を確認してみてください。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2003年9月掲載

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電磁的方法による議決権の行使について

現在、区分所有者が総会を欠席する場合には、書面により議決権の行使をしています。電磁的方法による議決権の行使ができると聞きましたが、具体的にどうすればよいですか?

 平成一五年の法改正では「区分所有者は、規約または集会の決議によりこれまでの書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法によって議決権を行使することができる」と定められました。
 これは、近年のパーソナルコンピューターやインターネットのブロードバンド化の普及に鑑みて、管理運営に関して迅速・適正な対応を実施することができるよう意思決定の方法を新たに追加採用したものと考えられます。具体的には、平成一五年六月一日より法務省令として『建物の区分所有等に関する法律施行規則』が施行され、あらかじめ管理規約又は集会の決議で、書面による議決権の行使の他に「電子メールの送信」や「ウェブサイト(ホームページ)への書込み等の利用」、「フロッピーディスク」や「CD-ROM」の交付による方法の採用を確認した上で、議決権行使を行うことができることとなりました。
 ただし、この方法を採用する場合においては、議決権行使が区分所有者本人のものかどうかの確認が容易にできないという問題が生じるため、これらの対応策として、電子署名を付する方法やあらかじめ区分所有者へ割り当てしたパスワードを入力する方法などの本人確認を行うことのできる手段を導入しなければならないでしょう。
 なお、FAXの場合、従来採用できるかどうか議論が分かれていましたが、法務省令では電磁的方法とは、具体的には電子計算機を使用するものと想定しており、記録、保存、出力が可能であるものとされているようです。
 しかしながら、この法改正によりFAXと同様の性質を有する添付ファイル等も認められていると考えられることから、FAXの採用についても一定の方向性は出たと考えられますが、その採用にあたっては、管理組合で事前に合意されていること、本人確認の方法もできることなどの要件が必要でしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2003年11月掲載

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法人が役員になることはできるか

私のマンションでは役員の就任については、輪番制をとっています。今回法人所有の部屋に順番がまわってきました。法人でも役員になることはできるのでしょうか?

 組合員なら原則だれでも役員になることができます。法人は自然人でないため、通常の規約では想定外のことと考えられますが、法人そのものではなく、区分所有者たる当該法人を代理する立場の者であれば役員に就任することに問題ないと考えられます。
 ちなみに標準管理規約には、そのコメントの中に『法人が区分所有する専有部分があるマンションにおいて、法人関係者が役員になる場合には、管理組合役員の任務に当たることを当該法人の職務命令として受けた者に限定する等どのような資格を有する者が実際に役員業務を行うことができるかについて、あらかじめ規約や細則に定めておくことが望ましい』と記載しています。
 仮にその記載がなくとも、例えば総会へ出席する者として当該法人の代理を受けた者などであれば問題ないでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2004年3月掲載

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