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管理に関するFAQ

総会・理事会の運営

配偶者は役員になれるか

私は理事長ですが、ある組合員から配偶者を役員にできないかという相談がありました。これは可能でしょうか。

 夫が区分所有者で、役員になってはいるものの実際に理事会に出席しているのは妻だというケースは、多くの管理組合で見受けられます。
 本来役員は規約でその資格が定められかつ総会の議決により任命されるものですから、代理人は認められません。しかし現実に区分所有者でなくても区分所有者の配偶者であれば役員として選任したいという希望は少なくないように思われます。
 方法としては次のようなことが考えられます。
 一つは管理規約に役員の資格として組合員の配偶者も可能とする条項を設けるという方法があります。例えば、役員選任について「理事及び監事は現に居住する組合員、若しくはその配偶者のうちから、総会で選任する」という規定が考えられます。配偶者以外に範囲を広げる場合は、慎重な検討を加えることが肝要でしょう。
 二つ目の方法は、配偶者を区分所有者にすることです。
 もちろん夫婦間で共有名義になっている住戸であれば問題なく配偶者を役員にできますが、これから共有名義にする場合は贈与(贈与税が発生しない額での一部共有)又は売買によって所有権の一部を移転することになります。夫婦間の所有権の一部移転は、管理組合にとって所有権の移転登記がなされていない場合、客観的な確認が困難なため、例えば、公正証書による夫婦間の契約を要件とするなどの工夫が必要でしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2001年3月掲載

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理事会議事録の保管期間はどのくらいか

これまで、管理組合設立当初からの総会・理事会議事録、規約、委託契約書、決算書類はすべて保管してあります。しかし、収納スペースが一杯になったので整理をしたいのですが、保管期間など法律で定められているのでしょうか。

 まず規約ですが、区分所有法では、管理者が規約を保管し、保管場所は建物内の見やすい場所に掲示しなければならないと定められています。また、利害関係人から規約の閲覧の請求があれば正当な理由がない限り拒むことはできないとされていますので、当然永久に保管する必要があります。
 次に、総会・理事会議事録(決算報告書等議案添付書類を含む)については、規約で、通常は規約の保管に準じた保管方法が定められています。議事録は訴訟等様々な局面で必要となる重要書類です。例えば管理費等を滞納している住戸が競売にかかった時に配当要求書を提出しますが、積立金や管理費が過去に変更となっていれば、これを決議した総会の議事録などを添付しなければなりません。以上の理由から議事録についても、永久的に保管する方がよいでしょう。
 その他の書類で永久に保管すべきものは、マンションの設計図書です。
 「建築確認申請書」(建築が許可された当初の図面)、「竣工図書」(建築途中の設計変更を含め、完成した状態の図面)は、将来の大規模修繕工事に際して必要となります。委託契約書については通常は現契約書・旧契約書共に保管しておくべきでしょう。会計関係の領収書、請求書、振替伝票や補助簿などは、各管理組合の実情に応じて保管年数を決められるのがよいでしょう。ただし、滞納者がいる場合は履歴の情報として必要なもの(滞納者別に発生日、金額、費目、督促状況などを整理した資料)はそれを越えて保管しておく必要があります。
 これらの書類などが膨大になり収納スペースがなくなってきた場合には、総会や理事会でその書類の性質、内容、必要性を検討し、保管期間を決めて順々に処分していく方法が考えられるでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2000年2月掲載

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理事長に総会招集の請求をするには

理事会に、駐車場の増設について総会で審議してほしいと要請したのですが、理事会(理事長)としては増設の必要がないので総会にはかるつもりはないとのことでした。しかし、多くの人が駐車場不足で困っており、増設の余地もあると思われますので、ぜひこの問題を協議したいのです。どうしたらよいでしょうか。

 まず、相当数の駐車場増設の立場をとる人が再度理事会(理事長)に要請してみてください。それでも理事会の態度が変わらない時は、以下の要件を満たせば区分所有者から理事長へ臨時総会の招集を請求することができます。
 その要件とは、(1)区分所有者の五分の一以上かつ議決権の五分の一以上を有する者(この数は規約の規定により減じてあることがあります)が、(2)会議の目的たる事項(議題)を提示して臨時総会の招集を請求することです。
 この要件を満たす区分所有者から臨時総会招集の請求があった場合、理事長はその請求があった日から二週間以内に、その請求日から四週間以内の日を会日とする総会の招集通知を発しなければならないことになっています。理事長から期間内に通知が発せられなかった場合は、上記(1)・(2)の要件を満たす区分所有者が、直接臨時総会を招集することができます。
 以上は、あくまで区分所有法の定めにより、臨時総会を招集する非常事態ともいうべきケースであって、基本は話し合いで解決すべきです。よく話し合って、本当に必要な事項なら理事会も取り上げるはずですし、緊急を要する事項でない場合には、臨時総会によらなくても、定時総会まで待って定時総会の議題にするなどの方法もあるかもしれません。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1998年4月掲載

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総会の決議について

管理規約に基づき、総会を開催し、各議案を審議しました。しかし、総会後、一区分所有者より同総会にて決議された議案について、本人が都合で出席できなかったので納得できないとの理由で、理事会へ再審議の請求がなされました。理事会としては、管理規約に基づき正式な手続を経て行った総会で承認されたことを理由に、再審議の請求を退けました。この理事会の判断は適切でしょうか。

 総会で議案が議決されるというためには、総会が適法な手続きで開催されること、その総会で議案が有効に議決されることが必要です。
 そこで、総会の開催手続きが適正でない場合(一部の区分所有者に対し、総会開催の通知をしてない場合など)や議案が提案されてない場合や議決されてない場合などは、総会で議案が議決されたとはいえませんので、適法な手続きで再度総会を開催し議案を議決する必要があります。
 本問は、適法な手続きで総会が開催され、議案が議決された事項について、総会に出席しなかった一人の区分所有者が、議決された事項に納得できないから、再度総会での審議を求めた設問と考えられ、総会の議決手続きに何ら違法性がないので、区分所有者の意見を入れて、総会で再審議する必要はありません。
 また、会議を運営する原則のひとつに、一度審議・議決した事項については、原則として再審議しないという「一事不再議」という原則があります。
 その理由は、一度議決しているのに、何度も議決をやりなおすことが許されれば、いつまでたっても議案の結論が確定できないからです。
 しかし、一度議決した場合でも、その事情が異なってきた場合には、再度審議をする必要のある場合もあります。例えば、一〇〇〇万円で補修工事を実施するという議案を議決したが、補修工事が三〇〇〇万円かかることになった場合などは、同じ議案でも、再度審議する必要があるといえるでしょう。
 ところで、本設問では、一人の区分所有者が総会に出席しなかったということですが、通常は再審議する事情の変更にはなりませんので、再審議に応じる必要はありません。
 それゆえ、理事会が再審議の請求を退けたのは、適切といえます。
 しかし、決議した事項が重要な事項(例えば、マンションの建替えの決議)で、一人の区分所有者が反対の意思を表示すれば、議案が否決されたような場合で、同人が総会に欠席したこと、あるいは、書面決議を行使できなかったことに合理的な理由がある場合には、決議された事項をスムーズに処理する上でも、慎重な審議が求められ、その場合でも、理事会は一区分所有者の再審議の求めに応じることはできませんが、区分所有法により区分所有者及び議決権の五分の一以上の区分所有者による臨時総会の開催を求めることは可能ですので、このような請求があった場合には、臨時総会を開催して、再審議する必要がある場合もあるといえるでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2002年10月掲載

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事前に議案について説明する必要はあるのか

理事会が総会開催案内を配布した後、総会に出席できない区分所有者から、「議決権行使書にて意思表示をするため事前に議案の説明をしてほしい」との投書がありました。理事会として回答が必要ですか。

 総会の招集手続の前提として、総会を開催するには、総会招集権者による招集手続が必要です(少数区分所有者も総会招集請求権があります)。
 通常は、管理組合の理事長が、総会開催日の一週間前に招集通知を発しなければなりません。
 その招集通知には、会議の目的たる事項(議題)を示すことが必要です。さらに、共用部分の変更、規約の設定・変更、建替えなどの一定の重要事項が議題である場合には、議案の要領(決議内容についての案を要約したもの)も通知しなければなりません。
 議題が重要なものでなくても、総会の議題には、区分所有者が意見を決定するために必要な資料を添えて通知されるのが一般的です。
 さて、本問についてですが、「事前に議案の説明をしてほしい」との意見があったとのことであり、一応議題は通知されていたが、意思決定するための議題の要領やその資料が添付されていないと思われます。
 そこで、本問の議題が重要事項である場合には、招集手続に問題があり、再度議題とその議題の要領(通常は資料が添付されます)を記載した書面を送付して招集手続をやりなおす必要があります。
 一方、本問の議題が重要事項でない場合には、事前に議題が通知されているので、招集手続に問題はありません。
 しかし、「事前に議案の説明」までの必要はありませんが、意思決定するための資料を通常添付しますので、招集手続をやりなおすのではなく、区分所有者全員に添書を添えた資料を配布するなどの方法を行うのがよいでしょう。
 なお、議題そのものが不明な場合は、招集手続をやりなおす必要があることはいうまでもありません。
 また、「事前に議案の説明をしてほしい」と言われた区分所有者には、議題に対する意思決定のために、資料を配布するようにした旨の管理組合の対応を説明して理解を求め、その際に、手続の公正さ、適正さに疑念がもたれるような、区分所有者の意思を左右する言動は慎むことに注意してください。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2003年1月掲載

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