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管理に関するFAQ

総会・理事会の運営

総会決議で可否同数になった場合は

「総会で可否同数になった場合は議長の決するところによる」と管理規約で定めてあるのですが、これは議長が一度議決権を行使した上で、さらに二度目の議決権を行使できるということですか。

 この場合、二度目の議決権を議長が行使できるわけではありません。議長としては、最初に区分所有者としての議決権を行使するか、もしくは最初は議決権を行使することなく可否同数となった場合に初めて議決権を行使するかのどちらかとなるでしょう。もし、二度も議決権を行使できるとすると、結果としては一人の区分所有者が二個の議決権を持つことになってしまうからです。
 つまり普通決議においては、議長は区分所有者としての議決権を行使しないで、可否同数の場合のみ議決権を持っていると解されます(議長が最初に区分所有者としての議決権を行使した場合には、その結果がたとえ可否同数になった場合でも、議長決裁権は行使できません)。
 特別決議においては、四分の三以上などの賛成が必要とされているので、議長は最初から区分所有者として議決権を行使するべきでしょう。
 参考までに国会においては、議長は本人の議決権に加えて可否同数の場合の決裁権も持つとされています(憲法、国会法)が、慣行で議長はその客観的公正を保持するためか、議長の職務執行中は議員としての表決に加わっていません。県議会や市議会においては、地方自治法の定めにより、議長は議長としての議決権しか持たないとされています。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1997年8月掲載

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賃借人への総会の通知について

駐車場の増設が理事会で決定され、臨時総会を開いて正式に決定することとなっています。駐車場は二階建の立体式を考えており、一階の住人に採光や騒音などの悪影響を及ぼす可能性もありますが、この場合、賃借人にも総会の通知をすべきでしょうか。

区分所有法の第四四条は賃借人をはじめとする占有者が会の決議につき利害関係を有している場合に、集会に出席して意見を陳述する権利を保障しています。
 この権利が認められるには、二つの要件を満たさなければなりません。一つは、占有者が区分所有者の承諾を得てその専有部分を占有していること。もう一つは、集会の目的である議題に利害関係を有していることです。ここでいう利害関係とは、建物やその敷地、附属施設の使用方法に関わるもの、あるいは占有者に対する専有部分の引渡請求などのケースです。
 本問の場合は、以上の要件を満たしているものと思われます。したがって管理者(通常は規約で理事長)は、区分所有法第三五条の規定に基づいて区分所有者に招集通知を発した後、遅滞なく、集会の日時、場所および会議の目的である事項を建物の見やすい場所に掲示しなければなりません。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1989年9月掲載

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賃借人が総会で意見を述べるのはどんな場合か

賃料に加えて管理費実費を家主へ支払っている賃借人です。総会で管理費の値上げが議題となっている場合、私は総会に出席して意見を述べることができるのでしょうか。

 区分所有法(第四四条)は、賃借人など専有部分を区分所有者の承諾を得て占有する者は、「会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合」には、総会に出席して意見を述べることができると規定しています。ここで「利害関係を有する」とは、法律上の利害関係がある場合で、事実上の利害関係がある場合は該当しません。
 設問の「管理費」とは、敷地および共用部分の管理に要する経費にあてるための費用であり、法律上、それを負担するのは区分所有者であって、賃借人ではありません。
 したがって、「管理費の値上げ」の議題は、事実上は賃借人に利害関係がおよびますが、法律上の利害関係、この場合は、賃借人が負担するという関係はありませんので、総会に出席して意見を述べることはできません。
 ちなみに、一般的に賃借人が総会に出席し、意見を述べることができる議題とは、建物などの使用方法や行為の停止、契約解除などが考えられます。具体的には、専有部分の居住目的以外の使用の禁止や、ペットの飼育の禁止、特別決議を要しますが賃貸借契約の解除を決議する場合が該当することになります。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1998年6月掲載

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理事長が行方不明の場合どのようにしたらよいか

当マンションの理事長が行方不明になり、一ヶ月が経過します。当組合には解決すべき重要な懸案があるのですが、今後どのようにしたらよいでしょうか。

 理事長は、管理組合を代表し、規約や総会で定められた組合業務を執行するという責務を負っています。上記の場合、理事長がその職務を行うことは現実的に不可能と思えます。
 通常、多くのマンションで副理事長という役職が定められ、管理規約において、理事長に事故がある時や理事長が欠けた時は理事長の職務を代行すると定められています。
 ところで、管理規約において理事長が管理者を務めると定められる例も多く、対外的にいつまでも副理事長が理事長の職務を代行するという状態は、正常な状態とは言えません。そこで、近々に帰ってくることが推測できない場合は、理事長を解任し、新理事長を選任した方がよいでしょう。
 通常の管理規約では、理事長は理事の互選によって選出されることになっていますので、理事会の決議で理事長を解任し、新理事長を理事の互選によって選任することになります。その場合、必ずしも副理事長が新理事長になる必要はありません。
 理事会で理事長の解任に関心がなく、管理組合の運営が滞るような場合には、区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上を持っている者が理事会に対して、会議の目的(理事長解任)を示して総会の招集を請求できます。それでも、理事会が一定期間内に総会を招集しない場合は、総会の招集を請求した区分所有者が総会を招集することができます。
 なお、理事長に不正が認められる場合は、監事も臨時総会を招集することができます。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2000年1月掲載

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夫婦二人とも役員になれるのか

分譲マンションの一室を夫婦で共有しています。次期管理組合役員となる順番なのですが、夫婦二人とも役員になれるのでしょうか。

 ご質問されている方のマンションの管理規約の内容が不明なので、標準的な例でお答えします。
 一般的な規約では、[役員の資格]に関しては「理事および監事は、○○マンションの組合員のうちから、総会で選任する」と定められています。この条文だけを見ると、ご質問のようにご夫婦二人で共有していらっしゃる場合は、二人がともに区分所有者(=組合員)でありますし、問題はないように見えます。
 しかし、マンションの基本法とも言える区分所有法には「専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない」と決められています。これはあくまで総会の議決権行使者に関しての定めですが、これは法律の主旨が、「組合の決議に関して、一戸に複数の共有者がいる場合でも議決権を行使できる人は一人としなければならない」ということなのです。
 この原則は規約の中で運営方法などを規定する理事会においても準用できると考えられ、理事会役員も一戸に一人とするのが妥当です。もし仮に、複数の共有者が役員になることを認めてしまった場合、極端な例ですと、理事の過半数が一戸の所有者で占められてしまい、理事会の決議が一戸の所有者の意向で決定されてしまう危険性もあります。こうした事態を避ける意味でも、役員は一戸一人で、かつ、その役員は議決権を行使すべき者とするのがよいでしょう。
 ただし、以上は通常のマンションの場合で、再開発ビルなどの区分所有建物で、一区分で多数の議決権を有する場合などでは前提が違ってきますので、規約で特別の定めをすることが必要でしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1997年10月掲載

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