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管理に関するFAQ

総会・理事会の運営

書面決議の効力は

総会を開かなくても書面で議案の決議ができると聞いたのですが、具体的にはどういうことですか。また、その効力は総会の決議と同じですか。

 総会は管理組合の最高の意思決定機関として位置づけられています。しかし、区分所有者の人数の少ないところでは、わざわざ総会を開く必要がない場合も多いと思われますし、区分所有者の人数の多いところであっても、議題によっては議論の余地がなく同意が得られる場合があると思われます。そこで、区分所有法では、「総会において決議すべきものとされた事項につき、『区分所有者全員』の書面による合意があったときは、総会の決議があったものとみなす」という規定が置かれています。これを書面決議と呼んでいます。これとは別に、集会を開いたうえで、議決権を書面で行使する議決権行使書の制度がありますが、これは書面決議とは異なるものです。
 書面により決議することができる事項は、区分所有法又は管理規約によって、総会において決議すべきものとされた事項のすべてにおよびます。しかし、「区分所有者全員」の書面による合意が必要ですので、総会を開けば通常の決議で決定することができる事項も、書面決議をするには、「区分所有者全員」の合意が必要となるわけです。総会を開く必要がないといっても、区分所有者全員から書面を集めること自体が非常に困難と思われますので、あまり効率的な方法とはいえないでしょう。
 また、注意すべきことは、書面決議ができたとしても、これによって集会の招集があったものとはみなされませんので、毎年一回の定例集会は招集しなければなりません。
 書面による決議がなされたときは、総会の決議があったとみなされます。したがって、書面による決議は総会における決議と同様の効果を生ずることとなります。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1995年5月掲載

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総会に弁護士同伴で出席できるか

総会で管理規約違反による駐車場使用の差止め請求(議題)をするそうです。私にも釈明したい点は山ほどあります。弁護士に代理として出席してもらうか、できれば同伴で出席したいのですが…。

 一般的に区分所有者は自分の代理人を誰にするかを自由に決められる権利をもっています。
 しかし、集団意思決定の必要などから、規約で「代理人の範囲を組合員が法人のときはその構成員、個人のときはその組合員と同居する者か、三親等以内の血族又は配偶者とする」などと定めても許されると考えられています(合理的な範囲であれば)。
 さて問いのケースですが、弁護士であっても前述のような代理人の制限がある場合は代理人とは認められないこととなります。
 次に代理という形ではなく、本人に加えて弁護士も出席して総会で意見を述べるというのは原則として許されません。但し、次のように同伴者の出席が認められる場合があります。
 その一つは、管理規約の中に「組合員のほか理事会が必要と認めた者は総会に出席することができる」という条文があり、あらかじめ理事会の許可を得ている場合です。もう一つは、理事長(総会議長)の許可を得る場合です。理事長自身が集会の主催者として「弁護士を同伴させたとしても議場が特に混乱することもなく、必要性がある」と判断した場合は、たとえ管理規約に右のような条文がなくとも出席が認められます(弁護士以外でも身体障害者の場合の介添人や、外国人の場合の通訳なども同様に、補助者としての同伴が認められます)。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1993年5月掲載

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総会での質問の対処のしかたは

管理組合の理事長をしています。今度の総会で議長を務めるのですが、要領がよくわかりません。総会の場で出た質問について、説明を拒否したり、即答できない場合は調査して後日説明することは認められますか。

 区分所有法では、規約に別段の定めがある場合を除き、通常の総会の議長は管理者である理事長が務めることとされています。総会開催に当たっては、開催日、開催場所、議案の内容について全区分所有者に通知する必要があります。そして、総会の場で決議されるのは、前もって通知されていた事項に限ります。
 本問のケースですが、質問が通知されていた決議に係わる事項に関してのものか、そうでない事項かによって、異なります。
 決議事項に係わる事項に関する質問であれば、提案者たる管理者としては、その目的や必要性など提案理由たる事項について、十分承知しているはずであり、議決権を行使するうえで必要な内容については、答弁する必要があります。仮に、答弁に調査の必要があれば、決議できない事態が生じることもありますから、議決権を行使するうえで、必要な事項(例えば、修繕費用の事前見積り)などは、事前に調査しておくことが必要です。また、管理会社に管理事務を委託している場合には、答弁の補助のために、同席してもらうのがよいでしょう。
 なお、質問と称して意見が述べられる場合があります。これは質問ではないので答弁する必要はありませんが、意見の中にも、議決権を行使するうえで、誤解のある事項などがあれば、誤解を解くように努めるのがよいでしょう。
 前もって通知していた事項に関係のない質問であれば、答弁できるものは回答するのがよいでしょうが、不適当と思った場合には、答弁しないこともできます。また、調査を要するような質問には、調査した後に回答するのがよく、不正確な答弁をして議事を混乱させないためにも、即答しないほうがよいでしょう。その他にも、答弁することにより人のプライバシーや名誉を傷つける恐れのある質問には、答弁を拒否してもよいでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1995年8月掲載

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総会の決議が個人的に不利益な場合は

今度の総会で二段式駐車場を増設する案が提出されます。増設場所は私の住戸のすぐ側で、増設後は、部屋の中に日光が全然入らなくなります。個人的には反対なのですが、総会で承認されれば私は承諾せざるを得ないのですか。

 総会の決議は区分所有者全員に対して効力があるのが原則ですが、その決議の結果が特定の区分所有者の権利や専有部分の使用に特別の影響を及ぼすときはその区分所有者の承諾を要する場合があります。
 区分所有法では、次の場合に区分所有者の承諾が必要であると定めています。
(1)共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすとき
(2)共用部分の管理に関する事項の決議が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすとき
(3)規約の設定、変更または廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすとき
 以上のような場合、総会の決議を実行させるには、該当する区分所有者の承諾が必要となります。
 ところで「特別の影響を及ぼすとき」とはどの程度のことを表すかについては判断が難しく、一般的には「その決議によって管理組合が受ける利益およびその決議の必要性とその決議によってその区分所有者が受ける不利益を比較し、その区分所有者が受忍すべき限度を超える程度の不利益を受けると認められる場合」とされています。
 問いのケースですが、二段式駐車場を増設することによって自分の部屋に日光が全然入らなくなり、がまんできない程度の不利益を受けることが認められる場合には、前記のケースに当てはまると考えられます。よって、その住戸の承諾が必要であるということになるでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1995年9月掲載

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定足数に満たず、総会が成立しない場合は

マンションの屋上から雨漏りするため、防水工事をすること、及び全戸から当該工事費用を一時金として徴収するという議案の承認を得るため総会を招集しましたが、定足数に満たず総会が成立しませんでした。工事を行うことはできないのでしょうか。

 総会が定足数に満たず不成立であったということですが、総会で否決された訳ではありませんので、再度総会を招集するべきでしょう。なるべく多くの組合員が出席できる日時に開催し、出席できない組合員にも書面による議決権行使をしてもらうよう呼びかけるなどの努力をするべきです。
 それでも定足数に達する見込みの無い場合や工事が緊急を要する場合はどうすればよいでしょうか。民法及び区分所有法には建物の共用部分のような共有物の保存行為はそれぞれの共有者が行うことができると定められています。保存行為とは財産の価格を現状において維持するための手入れ、修繕などの行為です。
 問いのケースでの防水工事は共有物の保存行為に該当すると考えられますので、総会がどうしても成立しない時は理事会の判断で工事を実施することが可能です。また、そうした場合の費用負担ですが、区分所有法の定めにより各区分所有者の共有持分に応じて負担することとなります(規約で管理費の負担割合について別段の定めがあればその割合によります)。
 よって総会で決議されなくても、発生した工事代金を各区分所有者は支払わなければなりません。しかし、よほどのことが無い限り、総会を開催して承認を得るのが最良の方法ですから、全組合員に総会の出席を呼びかけ、総会を開催するべく努力する必要があるでしょう。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1996年1月掲載

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