| ■ | 「管理費は一切支払う必要はない」との売買契約書は有効か |
| Q: | 理事長ですが新たに区分所有者となった人が旧区分所有者との売買契約書の中に、『管理費は一切支払う必要はない』と記載されているので払わないと言っています。どのように対処すればよいのでしょうか。 |
| A: | 「管理費を支払う必要はなし」と記載された売買契約を交わしていても、この契約書は売主と買主のみの契約であり、管理組合との契約ではありません。仮に管理組合が当事者間にこのような契約があることを知っている場合でも、そこに記載されている内容が管理組合に対して有効とは言えません。区分所有者が管理組合に支払う管理費は、管理組合がマンション敷地及び共用部分などの維持管理費用として必要なものです。 そこで、建物の区分所有等に関する法律第19条で「各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する」と定められており、区分所有者が管理費を負担することは当然の法律上の義務なのです。 この売買契約において、旧所有者(又は新所有者)が無知を装い、故意にこのような契約を交わしているならば大変悪質といえます。また宅地建物取引業者がこの契約にかかわっているとするならば宅地建物取引業法違反の疑いが生じてきます。 以上のことから、新所有者に対して当然に管理費を請求できますので、上記契約事項は管理組合に対して効力のないことを説明して支払うよう督促してください。それでも管理費を支払わない場合は訴訟などの法的な手段をとることになります。また、大変悪質な場合は管理費、遅延損害金、訴訟費用(印紙代など)に加えて弁護士費用を請求することができる場合もあるでしょう。 編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士 1999年11月掲載 |