「黙示の更新」について

Q: 敷地外駐車場を管理組合で借り上げているのですが、この度地主より賃料の値上げを申し入れてきました。通常なら契約更改時に賃料の話し合いをするのでしょうが、契約書を調べてみると5年契約で、3ヶ月前に既に期間満了となっていました。また契約書には自動更新の条項はありません。この契約は有効でしょうか。また地主は来月からでも賃料を値上げすると言っていますが、賃料はどうなるのでしょうか。

A: 民法第619条には次のとおり定められています。
「賃貸借の期間満了の後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合に於て賃借人が之を知りて異議を述べざるときは前賃借人と同一の条件を以って更に賃貸借を為したるものと推定す」
存続期間の定めのある賃貸借契約は、その期間の満了によって終了しますが、期間満了の後賃借人(問いの場合は管理組合)が賃借物の使用・収益を継続していて(駐車場使用料を支払っていて)、賃貸人(地主)がそのことを知りながら異議を述べないときは、前の賃貸借と同一の条件をもってさらに賃貸借をしたものと推定されます。これを黙示の更新といいます。ですから契約書に自動更新の条項が無くても賃貸借契約は継続していることとなり有効です。
ただし、「同一の条件」といっても契約期間については期間を定めない契約とみなされますので、更に5年間の契約ということにはなりません。
ここで賃料については、お互いの話し合いにより決定することとなりますが、万一折り合いがつかず、地主側より解約の申し出があったとしても、民法第617条には「当事者が賃貸借の期間を定めざりしときは各当事者は何時にても解約の申入を為すことを得。此場合に於ては賃貸借は解約申入の後左の期間を経過したるに因りて終了す。
1、土地に付ては1年
2、建物に付ては3ヶ月
3、貸席及び動産に付ては1日」
とあります。
この場合は駐車場であり、第1号(土地に付ては1年)に該当しますので、解約の申し出があってから1年間は現行の賃料で賃貸借契約が継続されることとなります。


編集/合人社計画研究所法務室
監修/桂・本田法律事務所
本田兆司弁護士
1996年8月掲載

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