| ■ | 家賃の値上げは困難か |
| Q: | 所有マンションを賃貸に出そうと思います。将来的に家賃を増額することは困難なのでしょうか。 |
| A: | 借家契約で家賃を定めておいても、時の経過で貨幣価値がかわるとか、固定資産税が変わるなどの変化によって、家賃の額が不相当になってくることは現実にはよくあることです。そのような場合、当事者はその変化に応じて家賃の増減を請求することができます。 貸主が家賃の増額を求める場合、借主がそれに応じて話し合いで新たな額が決まれば、その額が新たな家賃の額となります。しかし、話し合いがまとまらなければ、調停の申し立てを行ない、調停でも話し合いがまとまらなければ、裁判で決めることになります。ただし、調停手続きの中で貸主と借主の間でかなりのところまで歩みよっても最終的にはどうしても合意に至らない場合もあるでしょう。 このような場合に有効なのが、「調停条項の裁定」の制度です。当事者間に「調停委員会が定める調停条項に服する」という書面による合意があれば、調停委員会が解決案を定め、当事者はそれに従うこととなります。この書面による合意は調停が申し立てられた後になされたもののみ有効です。 また、紛争をあらかじめ防止する趣旨も含めて、固定資産税の増額などに応じて家賃を増額させていくという特約も有効な場合がありますが、将来的に家賃の額が不相当になった際、やはり当事者間で協議することとなります。いずれにしても借主と協議して、合意することが、円満な解決方法といえます。 編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士 1994年8月掲載 |