火災後のマンションの復旧について

Q: 漏電による火災で、6階建てのマンションのうち、5階部分が焼失しました。誰が、その復旧をするのですか。

A: 火災、地震、爆発などにより、区分所有建物が滅失する時には、建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失した場合と、2分の1をこえる部分が滅失した場合とに分けられます。前者を小規模滅失、後者を大規模滅失と呼びます。
さて問いのケースですが、この場合は小規模滅失にあたり、滅失した部分を復旧することになります。復旧にあたって、専有部分は、それぞれの所有者が自己の責任において為すべきものです。その他の共用部分の復旧にあたっては、集会の普通決議での決定が必要になります。この決議により、原則として、共用部分の持分の割合に応じて費用を分担し、区分所有者全員つまり、通常は管理組合で復旧を行なうことになります。この復旧の決議がなされるまでは、各自で、滅失した共用部分を復旧することができ、その復旧を行った区分所有者は、他の区分所有者に対し、復旧に要した費用を請求することも可能です。一方、大規模滅失の場合にはいかなる対応をとるかが問題です。滅失部分の復旧をする場合には、小規模滅失と同様に集会の決定が必要ですが、このときに区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成が必要となります。また、復旧するよりも、建物全体の建替えをという場合には、5分の4以上の集会の決議が必要となります。また、大規模滅失の復旧となると、費用が莫大になり、その負担に耐えられない者が出てくるでしょう。そこで、決議に賛成しなかった区分所有者(反対、保留した者および欠席者またはこれらの承継人)は、決議に賛成した者に対して、自己の所有するマンション(建物およびその敷地に関する権利)を時価で買い取るよう請求することができます。また、建替えの場合は、その不参加者に対して建物及びその敷地を時価で売り渡すように請求することになります。このように、決議に賛成した者をはっきりさせる必要があるため、集会の議事録には、各区分所有者の賛否をも記載しなければなりません。


編集/合人社計画研究所法務室
監修/桂・本田法律事務所
本田兆司弁護士
1993年9月掲載

[戻る] [home]