市から「マンションの敷地の一部を市に提供して欲しい」という依頼があった場合は

Q: 区画整理事業による道路整備のため、市から管理組合に「マンションの敷地の一部を市に提供して欲しい。」という依頼があり、今度、提供するかどうかについて臨時総会が開かれます。やはり総会で多数の方が賛成すれば、可決されるのでしょうか。

A: 本問の市からの「マンションの敷地の一部」の提供という意味が定かではありませんが、通常は、市が「マンションの敷地の一部」を買い取りたい(所有権の移転)という意味だと思われます。
そうすると、区分所有法第17条1項に「共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決する」と規定されていますが、これは、敷地の所有権の移転や賃借権の設定などを伴わない共用部分の敷地の利用関係を変更する場合に適用されるもので、臨時総会で特別多数の賛成によって管理組合が市と契約することはできません。
すなわち、本問の事例は、各区分所有者が共用部分に関して有する共有持分を売却することになるので、民法第251条に「各共有者は他の共有者の同意があれば共有物の変更ができる」との規定が適用され、全区分所有者の同意が必要となり、区分所有者の1人でも反対する方があれば、敷地の提供はできないことになります。
ただ、市の方で、本件マンションの敷地の一部が区画整理事業として決定されている場合には、区画整理事業の一環として、任意売却に応じない場合には、換地処分(換地の指定や清算金の交付や徴収)がなされるので、マンションの敷地の一部が区画整理事業の範囲に入っているのか、そうではなくて、任意の売却などを求められているのか、その内容を正確に把握される必要があると考えます。


編集/合人社計画研究所法務室
監修/桂・本田法律事務所
本田兆司弁護士
2006年5月掲載

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