のら猫の管理の責任は管理組合にあるか

Q: 理事長です。ある住民の方から「のら猫に車を傷つけられて困るので処分してほしい。」と、連絡がありました。理事会で議題とする予定でしたが、次の理事会までにのら猫が車に傷をつけてしまったようで、車の所有者の方が「のら猫の処分を依頼したのに対策をとらなかったのはおかしい。管理組合に弁償請求をする。」と言っています。
この場合、管理組合に弁償義務はあるのですか。

A: 管理組合が管理するマンションの駐車場といっても、いろいろな形態があります。 
単に敷地の空地部分を白線で区画しただけのものから、敷地上に機械式の二層設備を設けたもの、高度にパーキングタワー式のものもあります。他方で、完全に建物の中の1階や地階部分に駐車場を設けているものも見受けられます。
それゆえ、管理組合が駐車場を管理する注意義務も、駐車場の形態によって異なってくると考えられます。
一般的には、その駐車場が一切の害獣などの侵入を防ぐ構造で、シャッターつきといった設備をうたい文句に、高額な料金の設定がなされているような駐車場であれば別ですが、マンションによく見られる開放的な駐車場の場合には、仮にのら猫により自動車が傷つけられたとしても、管理組合が注意義務違反として責任を問われないと言えます。
なお、車の所有者がのら猫によって車に傷をつけられたとしても、民法第718条は「動物の占有者はその動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う」と規定していますので、管理組合がのら猫の飼主や占有者であるわけはなく、のら猫の管理を怠ったという責任を問われることはありません。


編集/合人社計画研究所法務室
監修/桂・本田法律事務所
本田兆司弁護士
2002年5月掲載

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