新所有者は、前所有者の遅延損害金を支払わなくてもよいのでしょうか

Q: 管理組合の理事長です。滞納していた住戸を競売で落札した不動産業者に前所有者が滞納していた管理費、積立金及び規約に基づく遅延損害金を請求したところ、「管理費、積立金は支払うが、遅延損害金については落札前に知らされていないし、前所有者が滞納しなければ発生しないものなので、新所有者に支払義務はない」と言っています。新所有者は、前所有者の遅延損害金を支払わなくてもよいのでしょうか。

A: 区分所有法第7条において、区分所有者は『共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権は、債務者たる区分所有者に対しても行うことができる。』と定め、同法第8条において、この債権を住戸を競落した『特定承継人にも行うことができる。』と定められています。
規約に基づく遅延損害金ということなので、当然に承継される対象の債権であり、事前に知らされていなかったとしても支払義務が生じます。
なお、規約に遅延損害金の記載がなくとも、民法による年利5%の遅延損害金や覚書などで約束した管理組合と滞納者の定めによる遅延損害金も対象となります。
よって、新所有者は、前所有者が滞納した日から新所有者の支払日までの遅延損害金を支払う義務があります。最終的にこの遅延損害金を誰が負担すべきかは、前所有者と新所有者の当事者間によって定まることであり、管理組合の請求権とは関係ありません。


編集/合人社計画研究所法務室
監修/桂・本田法律事務所
本田兆司弁護士
2006年1月掲載

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