| ■ | 区分所有権の中間取得者に滞納管理費等の支払義務はあるか |
| Q: | 私のマンションには、管理費等を滞納しているAさんがいました。その部屋をマンション外のBさんが競売にて落札しました。 区分所有法第8条に基づきBさんに管理費等の滞納を請求したのですが、Bさんは既にCさんに売却し所有権がCさんに移っているため、自分に支払の義務はないと言っています。この場合、管理費等の未収については誰に請求することができるのですか? |
| A: | 区分所有法第8条には「同法第7条第1項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人《競売、買取などにより権利(ここでは、区分所有権)を承継する者》に対しても行うことができる」と規定されています。 通常Bの立場は、Aより競売にて区分所有建物の取得をしているので特定承継人に該当し、支払義務があります。しかし、Bは既にCに売却をしており、現在の所有者ではありません。ここで、現に所有権を有していない特定承継人が区分所有法第8条でいう特定承継人に該当するかどうかが問題となります。 区分所有法第8条の記載では「管理組合が債権を行使する相手」については、「債務者たる区分所有者の特定承継人」と規定するのみであって、「現に区分所有権を有している特定承継人」に限定していません。もし仮に、「Bを特定承継人として扱わない」とすると、一般的なケースで、管理費等の支払について裁判となった場合、現所有者が訴訟途中、または、敗訴判決確定後に他に譲渡することによりその負担から逃れることが可能となり、法規定の趣旨・目的に照らして妥当でないと考えられます。よって、現に所有権を有していないBについても区分所有法第8条の特定承継人として扱うべきと考えられます。 なお、売買などの中間取得者については、特定承継人に「該当しない」という判例、「該当する」という判例に分かれていますが、一般的には特定承継人に該当するといえるでしょう。 本件の場合、管理費等の滞納について、区分所有法第8条の規定により譲渡人A・譲受人B両者に同時に請求できるものとし、B・Cの関係についてもCはBの特定承継人に該当し同様のことが言えますので、個別にそれぞれ請求することも、三者に同時に請求することもできます。 その請求額については次の通りとなります。例えば、A・B・Cが区分所有権を有していたときに、新たに発生させた管理費等の滞納額が、それぞれAが20万円、Bが10万円、Cが5万円とした場合、遅延損害金は別に加算するとして、Aには20万円、Bには30万円、Cには35万円を請求することになります。 編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士 2004年1月掲載 |