| ■ | 長期滞納者に対して訴訟を起こすには総会の決議が必要か |
| Q: | マンションの理事長ですが、管理費等の長期滞納者を相手に、その支払いを求める訴訟を起こそうと思っていますが、総会で決議しなければなりませんか。 |
| A: | 管理費等の徴収は管理組合の本来的な機能の範囲内に属する権能と解されるが、訴訟により滞納管理費等を請求するために、総会決議を行うか否かは規約の定めによります。ただ、裁判の提起という重要な議案は、総会決議によると規定されているのが一般的で、滞納を予防し周知させるためにも、総会で決議したほうが望ましいと思われます。 一方、設問のような管理費等の長期滞納者に対して、常に総会を開催して訴訟の提起を決議することが煩雑である場合には、一定の期間を超えた滞納者に対して、規約で、理事長に訴訟提起を一任する旨の規定を総会決議により設けることも可能と考えます。 〈総会議案例〉 「第○号 I 案規約変更(追加)について (1)理事長は管理費等を滞納する区分所有者に対して、その滞納額が合計○年分以上○年分以下の場合には、第○条の定めにかかわらず総会の決議を経ることなく、支払いを求める訴えを提起することができる(第○条は総会決議事項の定め) (2)前項の訴えを提起する場合、当該区分所有者は管理組合に対して、訴えに要する訴訟費用及び弁護士費用などの一切を支払わなければならない」 なお、管理費は5年で時効になりますので、滞納額がいくらになったら訴えを提起するかだけでなく、理事長は訴えを提起しなければならないことに注意してください。 また、訴え提起のための滞納額の上限及び下限を規定したのは、理事長の恣意的な運用を回避するためであり、無限定な規定は無効になる可能性があるためです。 さしあたって滞納管理費等の問題がない管理組合においても、管理費等の支払義務の重要性に鑑み、またその備えとして、規約の変更を行っておくのもよいでしょう。 編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士 1998年12月掲載 |