| ■ | 新会計年度開始前に予算案の承認を受けなければならないのか |
| Q: | マンションの管理規約では、新会計年度開始後3ヶ月以内に総会を招集しなければならない、と決められています。この方法だと、新会計年度開始後最長3ヶ月間は、予算案の承認を受けずに管理組合業務を行っていたことになります。「臨時総会を開催して新会計年度開始前に予算案の承認を受けなければならない」という人もいますが。 |
| A: | 原則として、予算を執行するためには、総会で承認を受けて行うことは当然のことです。それゆえ、新会計年度が始まる前に、総会で次年度の予算案の承認を得るのが適正なことです。 しかし実際には、多くのマンションの管理規約では、本問のように、新会計年度開始後に通常総会を開催することを規定し、また多くの管理組合では、その通常総会で前年度の決算と次年度の予算案の承認を受けて、済ませているようです。 ところで、厳密に予算執行の適正な手続きを考えれば、予算と決算の年2回の総会を開催する必要がありますが、年2回の総会の開催手続きを行うことが大変わずらわしいことと、一般的には、管理業務にかかる予算の執行はそのほとんどが継続的、定型的な業務であることが多いことから、管理規約では、新会計年度開始後に通常総会を開催することとし、必ず決算が行えるように規約を規定しているのです。 このように、理事長(管理者)が行う予算の執行は継続的、定型的(管理委託料や清掃代金などの支払い)な予算の執行であり、予算案の承認の有無にかかわらず、管理組合の業務として、支払いをする義務を負っていることから、新会計年度に入っての管理組合業務を、総会の承認を得る必要性も低く、旧予算に準じて執行されていれば、問題はないと考えられます。 また、役員は新会計年度開始後3ヶ月以内に開催される総会にて選任されており、次期総会で新役員が選任されるまでの間を任期とすることが規約によって定められていますので、同様に予算も、慣行的に新会計年度開始後3ヶ月以内の通常総会で承認されているのであれば、新会計年度開始後も前年予算に準じて執行されることに問題はないと考えて良いでしょう。 ただし、前年予算で見込まれていなかった多額の支払いなど(大規模修繕の支払い、管理費や使用料の改定など収入金額の変更、新たな多額の支払いの追加など)が発生する場合には、理事長の一存で契約を変更し、支払いを行うことは、委任業務に必要な善管注意義務に違反することにもなりますので、必ず臨時総会を開催し、予算案の承認が必要になりますので注意してください。 編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士 2007年11月掲載 |