管理費の不足により、公共料金などの支払ができない場合は

Q: 管理組合の理事長です。期の途中ですが、滞納者も多く管理費が不足しています。このままだと、公共料金などの支払もできなくなりそうです。規約では管理費の値上げや修繕積立金口から取り崩しをするためには総会決議が必要になりますが、臨時総会開催の余裕もないほどせっぱつまっています。何かいい方法はないでしょうか。

A: 電気料金や水道料金といった公共料金は(自治体や電力会社によりますが)早収期限までに支払わないと割引が受けられなくなります。さらに、通常期限を過ぎてしまうと延滞利息をかけられたり、電気や水道の供給サービスを停止されてしまう恐れがあります。また、公共料金以外の一般の債務も納付期限を過ぎると、延滞利息を請求されることがあり、何より債権者に対して管理組合の信用の失墜につながりかねません。
以上のことから、支払を遅らせたり止めたりするのは管理組合にとって不利になってしまいますので、これを避けるため、修繕積立金口から理事長の判断で支払っても問題ないと思われます。この場合は修繕積立金口の「取り崩し」ではなく、修繕積立金口から一時的に管理費口の費用を負担する、「仮払い」、と考えられますので総会決議は不要です。
ただし、これは公共料金や予算で認められた通常の管理業務上発生する支払、あるいは建物の保存上最低限の補修、災害など、緊急な出費に限り可能であると考えられ、大規模な修繕などの多額の支払は、臨時総会で決議を経てから支払うべきでしょう。
また、一時的には以上の方法で回避しても、できるだけ早めに訴訟を提起するなどして滞納者の未収金回収に努め、それでも管理費が不足するようなら管理費の値上げを検討すべきでしょう。組合資金に余裕ができるか、総会決議が得られた時点で、前記の「仮払い」は解消すべきことは言うまでもありません。


編集/合人社計画研究所法務室
監修/桂・本田法律事務所
本田兆司弁護士
2007年2月掲載

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