賃借人が防火管理者になることについて

Q: このたび、私たちの管理組合では、前任の防火管理者が転出されるため、新しい防火管理者を選出しなければならなくなりました。賃借人の中に資格を持たれている方がいらっしゃるので、その方にお願いしようと思いますが、賃借人に防火管理者をお願いしてもよいものでしょうか。

A: 防火管理者は、「建物の区分所有者等に関する法律」によって定められた役職ではなく、消防法で定められた、居住者が50人以上(戸数にして約15戸以上)のマンションにおかなければならない消防の管理者です。
分譲マンションの防火管理者は、管理者たる理事長によって居住者の中から選任され、理事長が代表をつとめる共同防火管理組織を統括し、消防設備の維持管理方法、火災発生時の自衛消防の役割分担、消防訓練の実施方法などを定めた消防計画の作成などを行います。消防法は、マンションの居住者を、区分所有者と賃借人に区別していないので、賃借人の方が防火管理者になられても、なんら問題はありません。
分譲マンションの共同防火管理組織は、あくまで理事長が代表となっているので、管理組合主導で運営されるものですが、賃借人の方も同じマンション内で生活されているので、共同防火管理組織の活動を通じて防火意識を高めていくことは大事かと思われます。
今回のケースの場合、賃借人の方が防火管理者になられることで、組合員の方とともにマンション全体として、防火意識を高めていくことができますし、ふだん疎遠になりがちな賃借人の方と、さまざまな活動を行っていくというマンション全体の交流としても、意義あることではないでしょうか。


編集/合人社計画研究所法務室
監修/桂・本田法律事務所
本田兆司弁護士
1997年7月掲載

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