快適なマンションライフを過ごすために



 分譲マンションには、所有する区分所有者全員で構成する管理組合が必ず存在します。この管理組合が主体となってマンションの維持管理をおこなわなければなりませんが、実際にはマンション管理に精通している方ばかりではないため、マンション管理会社に管理を委託されているケースがほとんどです。
では、管理会社に委託して、すべておまかせでよいのでしょうか?
 全国で1,000社以上あると言われているマンション管理会社。委託料は適正か?管理組合の財産管理は適切か?しっかりした管理業務をおこなわれているか?など、管理会社をチェックすることはたくさんあります。
しかし、どのようなことをチェックすればよいのかよくわからないという声もよく聞きます。そこで、今回はどこをチェックすべきかを特集します。
 マンション管理適正化法も施行され、マンション管理業に注目が集まる今、あなたのマンションをチェックしましょう。

管理委託料は適正な価格ですか?
 なんと言っても1番はこれ。では、どのようにして適正な価格と判断するのでしょうか。それには内訳を開示してもらい、内容を詳細に検証しましょう。

管理のノウハウはありますか?
 管理会社として、管理のノウハウがないのは致命的です。では、ノウハウがあるかどうか、どのようにチェックするのでしょう。これは、単純に管理実績でよいと思います。10,000戸以上の管理実績があれば、それなりのノウハウがあると考えてよいでしょう。
マンション管理会社の20のチェック項目
 
質   問
YES
NO
1 管理委託料の内訳は開示されており、またその金額は妥当である    
2 管理会社(又は関連会社)の信用不安はない    
3 24時間・365日管理会社と連絡が取れる    
4 普通預金・定期性預金は管理会社以外の名義(理事長等)になっている    
5 マンションの担当フロント・経理・管理員は各々別の者が担当している    
6 毎月の管理報告がなされている    
7 毎月の管理費の請求明細書が発行されている    
8 3ヶ月に1度以上の管理組合の会計報告がなされている    
9 建物の点検は定期的に実施され、報告書は組合に提出されている    
10 修繕積立金勘定と管理費勘定は区分されている    
11 定期性預金の届出印は理事長印である
(管理会社印ではない)
   
12 清掃の状態がよい    
13 管理規約原本がある。また管理規約原本の保管場所を全員知っている    
14 管理会社と委託契約書をきちんと取り交わしている    
15 理事会・総会の議事録はきちんと保管されている    
16 長期修繕計画は作成されている    
17 理事会・総会は定期的に開催されている    
18 自転車置き場に未使用の自転車はない    
19 玄関メールボックスの名札が統一されている    
20 住人と管理会社をつなぐ情報誌が発行されている    
20項目の内、5項目以上「NO」の場合は要注意ですよ!

管理会社(又は関連会社)の信用不安はありませんか?
 管理委託している管理会社が倒産しては大変です。信用不安はないかしっかりチェックしましょう。マンション管理適正化法によって、管理会社の財産状況を公開することになっています。民間の信用調査機関に照会するか、会社の決算書を請求することもできます。

24時間・365日管理会社と連絡が取れますか?
 マンションで事故が起こった際に管理会社と連絡がとれないと、それだけ復旧に時間がかかり、重大な事故に発展するおそれもあります。やはり緊急時などにすぐに管理会社に連絡が取れる体制がほしいものです。 

毎月、管理費等の請求の際、お知らせがありますか?
 管理費等は毎月銀行口座から自動引落しされることが一般的です。金額に変動がなくても、内訳や引落日は予め通知されるべきです。
 また、管理費等は管理組合の債権であるため、管理者(理事長)には毎月引落し結果や滞納者への対応の報告があってしかるべきです。

通帳などの名義は管理組合名義になっていますか?
 マンション管理適正化法で、管理会社と管理組合の財産を分別して管理することが義務付けられています。万が一、管理会社の名義になっていると、管理会社が倒産したときに返金されないことも考えられますので、早急に管理組合名義に変更する必要があります。

担当フロント・経理・管理員は各々別の者が担当していますか?
 マンションの管理内容は多岐にわたります。1人の人間がすべてをおこなうことは、まず不可能に近いと言えるでしょう。また、フロントと経理を兼務していると、管理組合の財産の管理がずさんになるおそれもあり、管理会社内のチェック機能が働きません。それぞれの役割を別の者が担当することにより、お互いの業務を客観的に確認することができ、不正や怠慢を防ぐことができます。

毎月の管理報告がなされていますか?
 どのような管理業務がされているか、管理会社は報告する義務があります。マンション管理適正化法では、事業年度終了後に管理者などへの報告が義務付けられていますが、当然毎月報告されている方がベストです。

定期的に会計報告がなされていますか?
 最も重要な管理組合の財産の管理に関しては、最低でも3ヶ月に1度は、区分所有者全員に対して、会計報告をおこなわれるべきです。さらに言えば、管理者(理事長)には、毎月報告されるくらいがよいでしょう。

清掃の状態はよいですか
 共用部分の清掃は、管理員の仕事で最も基本的なものです。この清掃がどれくらいおこなわれているかで、管理会社の管理員に対する教育のあり方が分かります。教育がしっかりした会社の管理員は、応対も丁寧で、気持ちがよいはずです。


 チェックをおこなった結果、現在管理委託している管理会社に問題があった場合、どうすればよいのでしょう。
 まず、管理組合から、文書によって管理会社の問題点を指摘し、これについて改善計画を管理会社より提出してもらい、その内容をもとに半年〜1年ほど管理会社を監視してみてはどうでしょうか。通常の管理会社であれば、委託契約を継続したいはずですから、問題点を改善することでしょう。
 また理事会や総会の場を有効に使うことをおすすめします。フロント担当者としっかり向き合って話ができる場ですし、内容も議事録に残りますので、指摘した問題点を持ち帰って真剣に検討されるようになります。
 不審点、不明点は管理会社へ説明を求めることが大事です。もし担当者がいいかげんであったり、信用できないようでしたら、直接事業所の方へ問い合わせることも必要です。そして担当者の変更を要求してみてはどうでしょうか。
 また、管理会社への指摘・要望・質問や管理会社からの回答は、全区分所有者へ公開することも大事なことです。


 どんなに指摘しても、どんなに回答を求めても改善がなされない管理会社はあるものです。そんなときはどうすればよいか。答えはひとつです。管理会社を変更するしかありません。
 ここではおおまかに管理会社を変更するまでの流れを見ていきましょう。
 管理会社の変更に向けては基本的に理事会が中心となって動いていきますが、まずは管理組合が希望する管理の仕様を明確にしましょう。続いて候補となる管理会社をリストアップしますが、知り合いのマンションで評判のよい管理会社を候補にあげてもよいですし、最近はインターネットで多くの情報を得ることができますので、自身でリストアップすることも不可能ではありません。候補となる管理会社が決まれば、いよいよ各社に見積を依頼しましょう。共通の仕様を指定する方が比較が容易ですが、管理会社によっては独自のサービスを提供している会社もあります。提案は受け付ける余地を残した方が思わぬ管理サービスの向上を期待できるでしょう。提案に際しては、管理会社からプレゼンテーションを受けるとより効果的です。
 各社から材料が出そろった時点で、候補を絞り込みます。いろいろな意見を聞いて、理事会としての結論を出すことが一般的です。
 現行の管理会社と比較して、安価で質の高いサービスが提供されるならば、きっと総会で承認が得られるはずです。臨時総会を召集し、過半数の通常決議により承認されれば、準備は完了です。次の管理会社と契約を交わし、現行の契約が切れると、新しい管理会社が管理組合のお手伝いをしてくれるでしょう。